繋ぐ~心に傷を負ったこどもたち~【7】

番外編「今度は何するか、考えといてな！」 ページ21

紫音 様リクエスト
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康二side





俺は、悪夢を見ることが多い。
内容はみんなも知っての通り、昔の記憶。

でもな？
嫌な夢だけやなくて、いい夢も見ることもあるんよ。
家族みんなで楽しく暮らしていた頃の。




大｢ お兄ちゃん！｣
『 はーい！大ちゃん、どしたん？』
大｢ パパとママが呼んでるで！今日な、ピクニックに行くんやって！｣
『 ほんま？！楽しみやなぁ！』




あ〜懐かしい。
これは、ある春の日の日曜日。
いつもお仕事で忙しいパパとママだけど、
この日は早起きしてお弁当を作ったりして、ドライブしながら山の上の公園に行ったんだ。




『 タコさんウィンナーやん！』
大｢ ほんまや！かわいい〜｣
『 大ちゃんこれ食べるか？ほなあーんしたるで！』
大｢ 食べる！んぁーーーん…あ！おいしい！ ｣




お口パンパンになるまで頬張る大ちゃん、めちゃくちゃ可愛かったなぁ…




『 ん〜！んまいなぁ！』




今度は僕が！って大ちゃんもあーんしてくれて、2人でもぐもぐしながら笑いあった。




『 次はパパが鬼！』
父｢ 待て待て〜！捕まえちゃうぞ〜？｣
大｢ きゃ〜！｣
『 ほら大ちゃん逃げろ！笑』




おなかいっぱいになるまでご飯を食べて、それが終わったらパパも一緒におもちゃや遊具で遊んで。
そして、それをママがビデオで撮って。

…このビデオ、今でもちゃんと残してくれてるのかな。
捨てないでいてくれているかな。




母｢ 康二！大ちゃん！こっち向いてや〜 ｣
『 いぇーい！ピース！』
大｢ ピース！｣




どんなに俺のことが嫌いでも、
2人の心の中に、息子として消さないでいてほしいな。

大ちゃんが死んでから、ずっと「あんたのせいだ」｢お前のせいで｣って俺をせめてきたパパとママ。
ほんま悲しかったんやで？
パパとママは、いつまでも俺の味方やと思ってたから。

でも…それでも。
それでも、俺はパパとママが大好き。
いつかちゃんと伝えられたらええなって思ってる。

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