繋ぐ~心に傷を負ったこどもたち~【7】

＊ ページ3

佐久間side





ふわっと明るくなったと思ったら、
俺はジリジリと暑い中ゆっくり外を歩いていた。




『 ……いたい。』




傷だらけの身体が、服に擦れて痛い。
お腹も空いたなぁ…




『 …… 』




いつものように感情に任せて俺に拳を落とすことしばらくして、お父さんは魂が抜けたように家を出てった。

そして、帰ってこなくなった。


だから俺は、一人で家を出た。
行く宛てもなくて彷徨い歩いていると、山奥にある一軒の家にたどり着く。

……雪花園別館だ。




舘｢ えぇちょっと！ねぇ君、どうしたの？！大丈夫？｣
『 ひぃ…っ 』
舘｢ あ、ごめんね…そんなに怖がらないで？俺は何もしないからね。一旦おうちに入ろう。｣




そうだ。ここで初めて舘さんと出会ったんだ。




舘｢ 怖いね…？大丈夫、これ以上近づかないからね。
だからそこの椅子に座ってお兄さんと少しお話しよう？何もしない、大丈夫大丈夫。｣




怖くてビクビク震える俺に、遠くからゆっくりと話しかけ何度も大丈夫と言ってくれた舘さん。

この時はまだ完全には信じきれていなかったけど、
それでも……舘さんの優しい声で俺はどんなに安心したことか。




舘｢ そうそう、いい子。…じゃあ、お兄さんいくつか質問してもいいかな？｣
『 …… 』
舘｢ 怖いよね…うん、じゃあ目を瞑ってていいからね。
それなら答えられそう？｣




落ち着くまでかなり時間かかったけど、それでも何も言わずにずっと待ってくれていた舘さん。
俺が椅子に座るとこれまたゆっくり話しかけてくれて、ほんの少しまだ手は震えているけど、
ｺｸｯと小さくうなづいた。

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