繋ぐ~心に傷を負ったこどもたち~【6】

番外編「鬼は外、福は内！」 ページ43

目黒side





鬼｢ ぅお゛おおおお！｣




無理！無理！！

今日は2月3日。節分の日らしいんだけど、毎年夜７時になると窓から鬼が入ってくる。
リビングのテーブルに1人ずつ豆が入った箱が用意されていて、それを鬼に投げなきゃいけないんだけど…

鬼なんてそう簡単に近づけるものじゃないでしょ！
怖すぎる！！




村｢ やだ！こっち来ないで！｣
佐｢ うわぁぁぁああ！！｣




ラウールと康二はガン泣きだし、他のみんなも叫びまくりだし……
多分だけど、キャラ的に俺か岩本くんがこういう時に勇敢に鬼に立ち向かっていくはずなんだろう。
でも怖いものは怖い！！虫はいけるけど、鬼はさすがの俺でも無理！
そんでもって岩本くんは怖いもの全般無理でしょ？
だから俺らはただただ走って逃げるのみ。




『 舘さぁぁぁん！助けてぇぇぇえ！』




怖いことがあったらいつも舘さんが助けに来てくれるんだけど、こういう日に限って舘さんは休みなんだよ。
午後から用事が出来たとかで、お昼一緒に食べたら家を出てっちゃった。
何で！！舘さん、助けて。泣




渡｢ ほらほらみんな、豆まきしなきゃ。笑 ｣
『 無理だって！てかそんなこと言うならしょうたくんもしてよ！何でしないの！』
渡｢ 俺は豆まかなくていいんだよ、渡辺だから。｣




しょうたくんは、そんな俺らのことを笑ってるだけで、全然豆まきしてくれない。
昔、鬼退治した人の名前が渡辺なんだって。だから渡辺って苗字の人には鬼が怖がって近づかないらしい。

ずるい！！




深｢ うわぁ！おい離せ！離せって！｣
『 ふっかさん！』




俺らが逃げ回っていると、机の下に隠れていたふっかさんが鬼に見つかってしまった。
鬼はふっかさんを肩に担いで、窓から外へと出ていく。
それを見てまたみんなガン泣き。




佐｢ 戻ってきたぁー！泣 ｣




でも鬼は、すぐにリビングに戻ってきた。
また俺らは部屋の中を逃げ回る。




康｢ なぁちょっと鬼さん！何で節分になったら俺らの所に来るんや！｣

阿｢ 節分は、旧暦で言うと大晦日であり立春の前日だから、季節の変わり目で悪い気が入りやすい日だとされているんだ！また、節分は陰陽道で言うと鬼門にあたるから、鬼門の日には鬼が出入り出来るんだよ！
……うわぁぁぁあ！｣

康｢ 阿部ちゃん全然理解出来ひんー！｣




某アニメキャラみたいに人差し指を立てながら説明してくれてるけど、言ってることが難しすぎて何言ってるか分からないごめん！

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