繋ぐ~心に傷を負ったこどもたち~【6】

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ガラス越しに目の前にいたのは、

紛れもない俺の父親だった。








警察の捜査によると、

母親を殺して俺の元を去った後、

数々の女性達を騙してきたのだと言う。










証拠も揃っていた。









今回逮捕されたのは、

その騙された女性による通報だった。











『 本当に、お父さんが殺したの…？』

父｢ …… ｣

『 …………なんで、殺したの。』











父は、ずっと容疑を否認していた。




だから、同じように

｢ 違う、俺は犯人じゃないよ ｣って、

そう言ってくれると思ってた。








なのに……







｢ こっち来て、｣と言い

俺と父を挟む透明の壁ギリギリまで呼びよせて



監視には聞こえないような小さな声で、

こう言った。










父｢ 昔から嫌いだったんだよ。｣










どうして？



2人で笑っていたのは、全部嘘だったの？







俺が過ごしてきたあの幸せな日々は、

全部貼り付けたものだったの？







ねぇどうして？












ガチャ＿＿＿





刑｢ 涼太くん？涼太くん！！｣









あの頃の、父の笑顔が頭をよぎった。




……父が殺人？あの、優しい父が？











『 うそ…うそだ、うそだ！そんなっ……ぁあああああ！』










俺は、外へ飛び出した。






龍太くんが追いかけてくるけど、

俺は体力には自信ある。






それに外は大雨ということもあり、

すぐに巻けた。









雨がザーザーと音を立てて降っていた。


まるで俺の心を表しているかのように。










俺の目から溢れ出す涙は、

降りしきる雨によって全部かき消された。














ｶﾝｶﾝｶﾝｶﾝ……







点滅する踏切に、俺は足を1歩踏み出した。










『 16歳……おめでとう、俺。』












……誕生日なんか、嫌いだ。






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