繋ぐ~心に傷を負ったこどもたち~【6】

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父は、この日から姿を消した。





またもや……最悪の誕生日となった。








父は一体どこに行ってしまったのだろうか。









近所の人が児童相談所に連絡をし、

俺は、施設に入ることになった。






それが、雪花園。




当時は、まだ出来たばっかりで

人も少なかったんだけどね。






あの頃のことはあんまり覚えていない。








大切な家族を一気に失った俺は、

生きる希望を失った。





死にたい、って毎日思ってた。








窓から身を乗り出そうとするから

2階は立ち入り禁止になったし、








首に手をかけるから

一日中手を縛られたこともある。








カッターを取り出したことなんて

数えられたもんじゃない。











俺が痛みを感じにくくなったのは、

多分これのせいだろう。












施設で何日もつまらない日々を過ごし、

俺はとうとう16歳の誕生日を迎えた。










｢ 宮舘涼太くん、ちょっといいかな？｣








施設に、警察が来た。







龍太くんが必死に出て行かせようとしてたけど、

俺は自分からその刑事さんの元へ近づいた。









｢ 報告だけ、｣ と前置きを入れて、刑事さんは言った。


“ 母を殺した犯人を見つけた ”と。








龍太くんは、また出ていかせようとしていたけど、

俺は言ったんだ。









『 その人に、会わせてください。』








俺の最愛の母親を殺した犯人を、

俺たち家族の人生を奪った犯人を、





……俺は、絶対許さない。











刑事さんは、何故か

眉を下げて俺の要望を断った。





でも俺は、何度も何度も頭を下げた。









『 犯人と話をさせてください。』









そう言った。



刑事さんは、渋々受け入れてくれた。







龍太くんも一緒に来ることを条件に、

俺は犯人と会うことを許された。








到着した俺が連れていかれた場所は、面会室だった。









そこで、何故刑事さんが ｢ 辞めた方がいい ｣ と、

念押ししていたかをやっと理解した。







後悔しても、もう遅い。











『 ＿＿お、とう、さん……？』







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