繋ぐ~心に傷を負ったこどもたち~【3】

＊ ページ20

目黒side





渡｢ 目黒の思いは受け取った。
康二に心から信頼してもらえるように、俺頑張るわ ｣







俺の思いを、受け取った？何言ってんの？

俺の思いなんて……誰もわかりゃしねぇよ、






渡｢ それで康二が過去に取りつかれそうになっても、俺が絶対に寄り添う。救ってみせる。｣

『 …… 』

渡｢ 目黒……？ ｣

『 分かった、分かったから…！ 』

渡｢ いや、ちょっ… ｣







『 ……もうあんたに用無しだから。出てって… 』







困惑しているしょうたくんを、無理やり外に追い出した。






渡｢ ……分かった。康二のことは任せろ！ ｣







ドアの向こうでしょうたくんの声を感じながら、



俺は枕に拳を落とした。






『 何なんだよ俺。自分で決めたことなのにこんな気持ちになるなんて……アホくさ。』





康二のことをしょうたくんに任せることだって、
自分で決めたこと。

なのに、何でこんなに悔しさを感じてるの？

意味わかんねぇ……






今までみたいに、俺が守ればいいじゃんって？

そう思った人いるよね多分。



康二が悪夢を見た時、俺が康二に寄り添って、

ずっと一緒にいて……


俺も、それが1番いいのかもな…とか思ったりもする。






『 苦しんでいる康二を救えるのは、俺だけ……のはずだった。 』






でもね、それは無理だ。


俺がどうして、康二がしょうたくんに話すことをこんなにもこだわっているのか。


どうして、康二がしょうたくんに話さないことをこんなに焦っているのか。






『 康二を救えるのは、しょうたくんだけだよ…… 』









……理由はただ一つ。









俺には、時間が無いから。









この意味は、後にわかるよ。

＊→←＊

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す