繋ぐ~心に傷を負ったこどもたち~

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村上side




こんなに苦しくなったのは始めててびっくりしたけど、しょうたくんのおかげでだんだん呼吸が上手く出来るようになってきた。


もう、信じても無駄だって分かったから。

もうママは帰ってこないって、分かったから。





『 僕ね、忘れる。忘れるから。…ママのこと、もう
忘れる。 』




己に言い聞かせるようにそう言うと、




渡｢ ……忘れなくても、いいんじゃないかな ｣

『 え…？ 』




思いがけない言葉だった。




渡｢ 無理に忘れようとしないでいいんじゃない？そう
やって強がっても、心が潰れちゃうだけだよ ｣

『 でもっ、 』

渡｢ 大丈夫。俺が真都の人生に上書きをする。楽しい
こと嬉しいこと沢山経験して、いつの間にか忘れて
ました〜っていう方が良くない？｣




しょうたくんの言葉で
心が軽くなったような気がした。




渡｢ 絶対に忘れさせてやる！俺の事だけしか考えられ
ないようにしてやる！ ｣

『 それはちょっと違うない？笑 』

渡｢ まぁ細かいことは気にすんなって〜 ｣




しょうたくんの、しょうたくんらしい温かみが、僕の心を綺麗に浄化していった。





・





渡｢ なぁ真都？だからその雪だるま、ずっと持っとき
な。大事にしとけ ｣

『 うん！ 』




僕達は、それから2人で慣れない裁縫をした。

何でって？

雪だるまにね、青と白のラインの入ったマフラーを付けたの。




渡｢ うわっ破けた！ ｣

『 もうなにやってんの〜笑 』




2人で作ったマフラーは、形もぶきっちょで情けないけど


僕達らしいマフラーだった。

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