ルガルバンダ叙事詩 ページ22
ぐだ｢お父さん！｣
『なんだ息子』
ぐだ｢召喚された日にお父さんの生前の話を聞かせてくれるって約束しましたよね！今いいですか！｣
『ちょうどやる事も無い。いいだろう、傍に寄れ。許す』
わーい！と喜び息子は私の傍に座る。
はて、どこから話したものか…初めからが良いか
『私はエンメルカルの八人兄弟の末っ子として生まれた…』
エンメルカルはウルクの創立者であり、この頃はウルクの領土を広げるため、戦争が絶えない頃であった。
ある日父が “アラッタ” という国に目をつけた。アラッタにはウルクでは不足していた瑠璃などの宝玉や貴金属に恵まれ、職人も居た。
父はそれに着目し、遠征を始めた。
父と兄達はその遠征に行くと聞き、私も兄達について行くことを決めた。
なかなかに許可をしなかったがな。もはやブラコンの域だぞあれは。
…こほん。えー、アラッタまであと少しといったところで私は病に倒れた。
兄達は私を洞窟へ運び込み、回復を願ったが治る気配をも見せなかった。葡萄酒や肉を傍に置き、その洞窟を去った。
私はこのようなところで死んでたまるかと、神々に祈りを捧げた。
『シャマシュよ！！偉大なる太陽神よ！どうか私をひとりにしないで！！』
シャマシュ｢大粒の涙を流す子がひとり。悲しい事だ。大丈夫、私が傍に居てやろう｣
洞窟内に光が差し、聖なる光が降り注いだ。
次に宵の明星が上った。私は明星神であるイシュタルに祈りを捧げた。
イシュタル｢可哀想な子…私好みな子ね…将来とてつもない美男子になったりして…ここで恩を売っておけばもしかしたら｣
シャマシュ｢帰れイシュタル｣
イシュタル｢なぁっ！なんでアンタが居るのよ！｣
シャマシュ｢こんな駄女神の加護なぞ要らんよな小さき王よ｣
『え、あの…』
イシュタル｢ムッキー！！相変わらずムカつくわねアンタ！｣
…まあなんやかんやあって月の光が差しこんだ。
なぜ遠い目をしているか？…聞くな。
話を戻すぞ。次の日には私の病は完全に治り食べ物を食べ、飲み物を飲んだ。しばらくすれば食料も尽きる。私は生まれて初めて1人で火を起こし、パンを焼いて食べたりしながら夜を迎え、再び歩き出した。
もしかしたら世界初かもな。自分でパン焼いて食べてソロキャンした王は。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 90人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
クレハ(プロフ) - すごい面白かったです！無理せずがんばってください＼(^o^)／ (2021年3月6日 11時) (
レス) id: 9de7389ada (このIDを非表示/違反報告)
リナ(プロフ) - …wwwめっちゃおもろい…好きです（急な告白）更新これからも頑張ってください！ (2021年1月27日 3時) (レス) id: 0c9324404b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：匿名 | 作成日時：2021年1月3日 3時
