なにわのちゅーちゃん。３ (ページ32)

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卒業デートページ32

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そういえばな、
私が高校卒業する１ヶ月くらい前に
しゅんが｢Aちゃん、夢の国行きましょ！｣って
誘ってくれて、行ってきたんよ。

やからそのときの話でもしましょうか。

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A「しゅん、今日は誘ってくれてありがとう」

開演前、列に並んでいると隣で
ずっとしゅんがソワソワしていた。

道枝「Aちゃん、そういうのは帰り際に言うんすよ」

頭１つ分ほど高い位置から口角を上げて言われた。

なにしても様になるんよね、この子。

A「でもしゅんが誘ってくれなかったら制服で来ることなんてなかったもん」

そう、私が来月で卒業ということで
｢制服で行きましょ！｣と、
かわいらしいお願いをされてしまった。

うるうるキラキラなお目目に逆らうこともできず、
そして断る理由もなく、承諾した。

道枝「じゃあ今日は１日、Aちゃんの彼氏でいさせてくださいね」

A「･･･へ？」

じゃあとはなんだ？道枝

文脈的におかしくないか？道枝

なんて思ったのは一瞬で、
よく見たらしゅんの耳は真っ赤で
勇気出して言ってくれたんやなって
心がほかほかとした。

A「じゃあ今日１日、しゅんの彼女でいさせてください、」

恥ずかしくなって途中から
どんどん小さな声になってしもたけど、
しゅんにはちゃんと届いたようで
２人して顔を真っ赤にさせてしまった。

そうこうしているうちに開園して、
人の波に流されていると
しゅんの大きな手が私の手を包み込んでくれた。

道枝「離さないでくださいね」

そう言ったしゅんが頼もしくみえて、
その姿がかっこよくて、頷くことしかできんかった。

あんなに小さかったのに、
こんなに大きくなったんやな。

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