泣き虫さん ページ30
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斗亜side
リハーサルが始まる前に
西村くんと話しているとリハ室の扉が開いて、
帽子を深くかぶり、その上からフードをかぶった
Aちゃんが入ってきた。
西村「Aちゃん元気ないんかな？」
そう思ったのは僕達だけではないようで、
リハ室にいたみんなが心配そうに見ていた。
こういうときは大体、流星くんがそっと傍にいく。
Aちゃんは端っこに荷物を置いてそこに座り、
フードと帽子を取った。
あんまりじっと見ているのも申し訳ないから、
横目で見てみると、
Aちゃんの目は真っ赤で腫れていた。
それには流星くんも驚いたようで、
目を見開いている。
流星「泣いたん？」
小さな声で問いかける流星くんに返事をせずに、
こくり、と、頷いた。
するとお兄ちゃん組を中心に
なにわ男子のメンバーが自然とAちゃんを
しゃがんで囲むように集まった。
理由を聞いても答えないみたいで、
みんな頭を抱えている。
斗亜「どうしたんやろ、」
ふと声が漏れると、
西畑くん越しに目が合って
痛々しいAちゃんの目から
ポロポロと涙が溢れ出した。
西村「斗亜なにしたん！？」
斗亜「え、わからへんわからへん！」
｢もう、どうしたん〜？｣ と、
眉を八の字に下げながら流星くんが
背中を摩っている間も
Aちゃんの涙が止まることはない。
大橋「斗亜ー、ちょっと来れるー？」
大橋くんに手招きされて
なにわ男子の輪の中に入ると、
目を潤ませたAちゃんの目が合った。
その瞬間
A「斗亜ぁぁぁぁぁっ、！」
斗亜「うげっ、」
思いっきり抱きしめられました。
流星「あー、なんか察したかも」
藤原「ほんま心配ばっかりかけやがって」
そう言って丈くんが
雑にAちゃんの頭を撫でると、
集まっていた人たちは立ち上がって去ってしまった。
斗亜「えっ、と、、Aちゃん･･･？」
恐る恐る背中に手を回すと、
更に力を入れて抱きしめられる。
A「斗亜、すっごいよかった！もうね、涙止まらんの」
もしかして、
A「年下彼氏、とってもよかったで」
まだ泣いているのか声を震わせていて、
ちょっと笑ってしまう。
斗亜「小島くん２号ですね」
なんて言えば、体を離されて
すぐに｢それだけはごめんやわ｣ と、
真顔で言われた。
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作者名：まる。 | 作成日時：2020年5月10日 23時
