今日も継子が泣き止まない【煉獄杏寿郎】

300評価ありがとう！番外編です ページ27

「せんせぇ〜〜〜」
「…………む？なんだ？」
「帰ってもいいですか？」


それはダメだ！とクソデカ鼓膜に響く音声で言い放たれる。思わず耳を塞いだが、いきなりの大声にびっくりしてしまう、いや、いつもの事なのだが。


ここは煉獄先生、他の歴史の先生も使う歴史担当教員室である。こじんまりとしていて、周りを見るとごちゃごちゃと歴史の本や資材が置かれている。昼休みには生徒でごった返す溜まり場になっているが、今は放課後なので生徒が来ることもそうそうない。


＿＿私を除いて。


「なんでですか…！プリントの整理はしましたし、教科書だってここまで一緒に運びました！先生は歴史係をどこまで働かせれば気が済むんですかー？労働基準法反対！」
「まだ労働基準法には達していないだろう？大丈夫だ！」
「大丈夫なわけあるか〜〜〜！」


大体放課後は変な理由をつけられて呼び出しを食らう、最早これはハラスメントなのでは、煉獄ハラスメントなのでは？


べそべそとしながらも暇なので煉獄先生に言われた通りホッチキスでプリントをまとめていく。


カチカチカチ、と規則的なホッチキスの音と、煉獄先生のペンの音だけがやけに個室に響く。


ちらりと横目でプリントを添付している先生に目を向けると、静かに作業をしていた。


長いまつ毛、通ってる鼻筋、パッチリとした目。


間違いなく顔は整っているのに声の大きさがなんとも残念だとしか言えない。

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