小悪魔が七匹 ページ8
「っていうことがあってさぁ」
「恋じゃん」
コーヒーをひと口飲み込んで言う柚葉。
さも当たり前の様に放たれたその言葉に、私は首を傾げた。
「恋？コイ？」
「何とぼけてんの？あんただって何となくわかってるでしょ」
「……」
柚葉にバッサリ斬られて、つい俯いてしまう。
そりゃあ私だって、男の子に恋をしたことが無い訳ではない。恋人だって何人かいたことがある。
日向くんの試合を見に行ったときに感じた感情が、それに似たものだったということもわかっている。
でも今までは、相手が私のことを好きってことが前提だったから。
「相手に恋されてる私」、「相思相愛なカップル」っていうシチュエーションに恋してた。
「確かにちょっとときめいちゃったけど。ありえないよ、私のこと好きじゃない人のこと好きになるとか」
「片想いって概念は無いのね……
そりゃあまだ恋って言いきれる状態ではないけど。Aはさぁ……自分に酔えてなきゃダメじゃん？
いつでも自分が好きでいられる自分じゃなきゃ、保ってられないでしょ、色々」
その通りだった。
ずっと一緒にいる柚葉には、完璧でいたい私の、周りには見せたくない汚い部分を背負ってもらっているものだから、私の弱味は全部わかっている。
テーブルに突っ伏して、顔のすぐ隣にあったマグカップにぼんやりと映る自分の顔を見た。
「惨めなの、嫌い。振り回すのが好き。振り回されるのは嫌い。気持ち悪いんだよね、自分が誰かのこと想って四苦八苦してるの。これ言ったらさ、多分「周りのこと見下してる」って言われるけど、ただ単に自分に対する理想が高いの」
「もしかしたら、Aみたいなのの方が本当に落ちたときに執心深くなるかもよ。そういうの全部とっぱらって、相手のこと追いかけるとか。想像つかないけど。」
「あるかもよー？私結構ロマンチストだし」
「はぁ？」
「あはは。うそうそ、普通に考えて無いわ。自分より相手優先の私とか」
「言えてる」と柚葉が笑う。
この話をしている間、あのオレンジが頭から離れなかったことは言わないでおいた。
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美園(プロフ) - やばい夢主ちゃん好きすぎる…可愛すぎる…日向とうまくいってくれ (2月27日 10時) (
レス) @page24 id: 69d991c9f1 (このIDを非表示/違反報告)
やぁでぅん - 主人公と日向くんの絡みが最高です！！これからも更新頑張って下さい！！ (5月10日 15時) (レス) id: 92500eea4b (このIDを非表示/違反報告)
ゆな - え、むりおもしろすぎる続きがちでみたい (2023年1月7日 20時) (レス) @page24 id: 6539e90d25 (このIDを非表示/違反報告)
ムー - 小悪魔な少女が無邪気な彼に片思いして振り回されてるの、とても新しくてワクワクします！うまくアピールできなくて少しそっけなかったり、それでもどうやって好きになってもらうか一生懸命なのは、恋する乙女同然ですね！これから二人はどうなっていくのか楽しみです！ (2022年10月5日 19時) (レス) @page24 id: 812daaa6d6 (このIDを非表示/違反報告)
水団子(プロフ) - 羽珪藻さん» 毎回悪戦苦闘しながら話を考えているので、そう言って頂けてありがたいです……（ ; ; ）これからもお暇な時に覗きに来ていただけると嬉しいです。コメントありがとうございました！ (2022年8月8日 13時) (レス) id: 3a603e5b42 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：水団子 | 作成日時：2015年10月30日 21時
