【HQ】こっち向け、太陽。

小悪魔が三匹 ページ4

朝です。

……ああ、柚葉には、あの後追い出されました。スガくんが来るから、邪魔者はあっち行け、だそうです。


……つめたいなぁもう。


両肘をついて、頬を膨らませた。

あんなに顔真っ赤にしちゃってさ。ちょっとは私に構ってくれたっていーじゃん……

Aちゃん寂しいんですけど。


どこを見ている訳でもなく、何となく顔を向けた方、つまり、天井側が視界に映っていた。


その視界のすみっこが、パッと、鮮やかなオレンジに染まる。


……日向くんだ！


そう、そうだった。柚葉のことなんて考えてる場合じゃない。


日向くんに近づかなきゃ。

もう絶対「誰だっけ」なんて言わせない。


それで、いつも通りは胸張って言うの。


「これが私の恋愛だ」って。


そう言う私を柚葉はいつも批難するけど、これが変わることは、きっとこの先、ずっと無いんだと思う。



わかってる。


私が恋してるのは、「誰かに恋されてる自分」だから。




息を軽く吐いて、前髪を整えてから声をかける。


「おはよう、日向くん」

あいさつはちゃんと体を向けて。

私は椅子に座ってて、日向くんは立って荷物を整理してるから、自然と上目遣いになる。


ふっふっふ、上目遣いのあいさつに顔を赤くしない男子など……


「あ、えっと……柊木さん！はよーございます！！」


一瞬動きを止めて、すぐパッと笑顔になる日向くん。


……顔色全く変わってなくないですか。

っていうか、今一瞬忘れかけてたよね、えっとって言ったよね！！


頭が追いつかない。


人によっては挨拶だけで落ちるのに。




これは結構、手強いかもしれない……

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