小悪魔が十二匹 ページ13
「おい見た?隣にいた子」
「見た見た。めちゃくちゃ可愛かったよな。あーくそ、声かければ良かった」
「いや無理だろ」
「は?なんで?」
「わかってんだろ。あの子どう考えても烏野の10番の彼女じゃん」
「……付き合っては無いかもしれねぇじゃん」
「いや10番がなにかする度に、ってか出てくるだけであんな顔真っ赤にしてたんだぞ?あの子の片思いだとしてもあれを振り切ってこっち向かすのは無理だろ」
「……だよなぁ。あーあ、あのチビ死ぬほど羨ましいな!あんな可愛い子……あの子の笑顔見た!?向日葵みたいだったぞ!?」
「
「くっそムカつく〜!」
頭の中で、翔陽くんのアタックを打ってる姿が何回も何回もリピートする。
体をバネみたいにして思いっきり翔ぶオレンジと、ボールが床を弾く気持ちのいい音。
……正直、ものっすごいかっこよかった。
泣いちゃうかと思った。
っていうか泣いた、翔陽くんが、私のことを見つけて、手を振ってくれた時は。
……どうしよう。
私、あの人が好きだ。
翔陽くんの、1番になりたい。
その思いの裏にあるのは大きな不安だった。
……バレー部のマネージャーには私と同じくらい顔のいい清水先輩がいるっていうのは意識してた。
でもそんなに心配はしてなかった、顔は綺麗だけどクールで取っ付きずらいから、モテるかどうかで言ったら私の方が圧勝だし。
翔陽くん単純そうだから憧れるはするだろうけど、ああいう高嶺の花を本気で好きになるタイプじゃないだろうなって。
……でも、もう1人のマネージャー。
谷地仁花ちゃん。
清水先輩に気取られすぎて盲点だった、特進クラスの元気で可愛いあの子。
なんとなく見ててわかった、多分、翔陽くんと、仲良い。
っていうか、絶対認めたくないけど、めちゃくちゃお似合い、じゃない?
荒れ狂う精神をどうにか抑えようとして小さなバッグの中を漁って鏡を取り出した。
目を少し潤ませた自分と対峙して息を漏らす。
うん。
可愛い。
私今日もめちゃくちゃ可愛い。
……なのになんでこんなに自信がなくなっちゃったの?
「だって翔陽くん、顔が可愛いからってだけじゃ振り向いてくれないんだもん……」
今まで時間もお金もぜーんぶ可愛くなるためにつぎ込んで、食べるものにも気を使って、死ぬ気で自分を磨いてきた。
……でも中身は?
どうやって磨けばいいの?
627人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
美園(プロフ) - やばい夢主ちゃん好きすぎる…可愛すぎる…日向とうまくいってくれ (2月27日 10時) (レス) @page24 id: 69d991c9f1 (このIDを非表示/違反報告)
やぁでぅん - 主人公と日向くんの絡みが最高です!!これからも更新頑張って下さい!! (5月10日 15時) (レス) id: 92500eea4b (このIDを非表示/違反報告)
ゆな - え、むりおもしろすぎる続きがちでみたい (2023年1月7日 20時) (レス) @page24 id: 6539e90d25 (このIDを非表示/違反報告)
ムー - 小悪魔な少女が無邪気な彼に片思いして振り回されてるの、とても新しくてワクワクします!うまくアピールできなくて少しそっけなかったり、それでもどうやって好きになってもらうか一生懸命なのは、恋する乙女同然ですね!これから二人はどうなっていくのか楽しみです! (2022年10月5日 19時) (レス) @page24 id: 812daaa6d6 (このIDを非表示/違反報告)
水団子(プロフ) - 羽珪藻さん» 毎回悪戦苦闘しながら話を考えているので、そう言って頂けてありがたいです……( ; ; )これからもお暇な時に覗きに来ていただけると嬉しいです。コメントありがとうございました! (2022年8月8日 13時) (レス) id: 3a603e5b42 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:水団子 | 作成日時:2015年10月30日 21時