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第四十八話 フィル・ライトハーテッド ページ49

 双子の後も何人か来た。
 語尾がニャの、たぶん盗賊であろう猫族、パンテラシュラ・ジャグアーロ。白マフラーの少女、ヴィルトカッツェ(この2人は名前が長いから、それぞれ、パンテラ、ヴィルト、と呼ぼう)。いかにも天使っぽい容姿の少年、ライ・ハルバード。
 そして、またしても、顔見知りが1人。中性的な顔立ちの青年、ツサック・アルトハウザーだ。

 よくここまで知り合いが集まったねぇ……と運命的な何かに感心していると、また1人やって来た。
 そいつは、白金の髪とエメラルドグリーンの目の、やたらと整った顔をした男だった。そいつは、いきなり笑い出すと、名乗り(ピロ・ラッキーハッピーという名らしい)、アリアのところまで行くと、長々と文句を言い出した。的を射ているように思えるが……物言いが、ちょっとねぇ。
 そんな、したい放題のピロに、ランが笑顔で物申した。「君には想像力が足りない」と。確かにそうなのだ。ピロの言う事も正しいが、ランも正しい。そもそも、正しさなど、そんなものは個々人で違う。

「ハッピー君も、俺に何か言いたそうじゃん」
 と、ランはどこか楽しそうに言う。
 対してピロは「ふむ」と頷くと、
「そうだな。まず、それでは話が進まんよ。事情があるかもしれないなどと、憶測だけで、結局、行動を起こしていない。あと、探索をしている者もいると言ったな? 事情があるかもと、企画内容を聞こうとしないくせに、間接的に探るのはいいのか? そのないかもしれない事情とやらに触れるかもしれないのに? やはり、お」
 そこまで聞いて我慢出来なくなって、あたしは、ピロに近づき、バシッとその頭を叩いた。
「……何かね」
 不思議そうな顔をして、こちらを見るピロ。
「グダグダうるさい奴だねぇ。空気が読めないのかい」
「ワタシがうるさくなっているのは、キミらが愚」
 もう1度叩いた。
「あんまり、愚か愚か言うもんじゃないよ。アンタは自分が正しいと思っているようだけど、正しさなんてものに絶対はないんだから、あんまり自分の正しさを盲信しない方がいいよ。それは自分がブレない、という点では役に立つけど、協調性に欠ける。それこそ、話が進まないよ」
「それは、アナタの正しさに基づく意見かね?」
「一般論だよ」
「そうかね、その割には」
 叩いた。初対面を1日にこれだけ叩く事もない。
 ……こいつの口を塞いだ方が良いような気がしてきた。

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作品ジャンル:ファンタジー, オリジナル作品
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夕暮れの紅猫(プロフ) - 浅葱_なずさん» 一応、続きがありますよ! (2017年9月5日 1時) (レス) id: bc75671915 (このIDを非表示/違反報告)
浅葱_なず(プロフ) - 凍結でつか(*゚▽゚) (2017年9月4日 22時) (レス) id: 638a6231c6 (このIDを非表示/違反報告)
夕暮れの紅猫(プロフ) - 欺瞞と悪戯の神・ロキさん» ありがとう! (2017年7月22日 17時) (レス) id: bc75671915 (このIDを非表示/違反報告)
欺瞞と悪戯の神・ロキ - 遅くなりました!直したよ! (2017年7月22日 16時) (レス) id: 55b7b486eb (このIDを非表示/違反報告)
欺瞞と悪戯の神・ロキ - 夕暮れの紅猫さん» わかった!何とかしてそれにする!僕の事はためでいいよ! (2017年7月21日 22時) (レス) id: 55b7b486eb (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ステラどるちぇ x他14人 | 作者ホームページ:   
作成日時:2017年5月28日 20時

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