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第三十九話 フィル・ライトハーテッド ページ40

「ここは例外はあるが、魔法を使えないようにしている。それに、少し綻びが生じた」
「綻び……誰かが魔法を使ったのかい?」
「そのようだ。強引に余の魔法を突き破って、魔法を発動した。それに乗じて……この感じは移転魔法か? 誰がまた魔法を使ったようだ」
 騒動を起こしたい奴がいるのか……それとも、衝動的にか……そう考えていると、目の前の扉が開いた。
 知らない2人組だった。何故か近くで蝶が飛んでいる。
「あれ? 見ないうちに随分と人が増えたねー」
 橙色の髪に深紅の瞳の少女が驚いたように部屋を見渡した。
「……あぁ、そうみたいだな」
 その後から緑のマントを羽織った仮面の女が入る。
 口振りからあたしらより前に来ていたらしい。
「汝ら、」
 アリアがその2人に声をかけようとした時、再び、ヴーっと通知音が鳴った。アリアは、しぶしぶといった調子でシステムの前に向かった。
「何だったんだろうね?」
 橙色の子が首を傾げる。仮面の女が少し黙考し、
「……先ほどの件か」
「あーね、使っちゃったもんねー」
 ……なるほどな。この2人が魔法を使用したのか。しかし、これはアリアが何とかするだろう。あたしなんて、魔法は1つしか使えないし、専門外だからね、首を突っ込まない方がいいだろう。

 さて、参加者が増えてきたし、もう1回、交流を図るか……あー、こういうのが、盗賊なのに顔が広い原因なのかもしれないね。いや、盗賊なのに、っていうのは、関係ないか……。

 と、思っていると、
「きゃっ!」
「いたっ!」
 発動した魔法陣の方から小さく悲鳴が聞こえた。見れば、白ポニテ同士でぶつかっていた。下敷きになっている方は、マイだった。
「大丈夫!?」
 もう1人の白ポニテ(よく見れば、右半分の髪が紫だった)と一緒に来たらしい、その子とよく似た青年が2人に駆け寄る。
「ごめんなさい……大丈夫?」
 マイから退きながら、比較的落ち着いた様子で訊く少女。
「う、ん……まぁ、大丈夫、かな?」
 マイは若干目を回しながらも起き上がった。

 ……って、さっきから、来ている奴らを眺めてばかりだね、あたしは。さっき動こうと思ったばかりなのに。年かね……まだ20代なんだが。

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作品ジャンル:ファンタジー, オリジナル作品
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夕暮れの紅猫(プロフ) - 浅葱_なずさん» 一応、続きがありますよ! (2017年9月5日 1時) (レス) id: bc75671915 (このIDを非表示/違反報告)
浅葱_なず(プロフ) - 凍結でつか(*゚▽゚) (2017年9月4日 22時) (レス) id: 638a6231c6 (このIDを非表示/違反報告)
夕暮れの紅猫(プロフ) - 欺瞞と悪戯の神・ロキさん» ありがとう! (2017年7月22日 17時) (レス) id: bc75671915 (このIDを非表示/違反報告)
欺瞞と悪戯の神・ロキ - 遅くなりました!直したよ! (2017年7月22日 16時) (レス) id: 55b7b486eb (このIDを非表示/違反報告)
欺瞞と悪戯の神・ロキ - 夕暮れの紅猫さん» わかった!何とかしてそれにする!僕の事はためでいいよ! (2017年7月21日 22時) (レス) id: 55b7b486eb (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ステラどるちぇ x他14人 | 作者ホームページ:   
作成日時:2017年5月28日 20時

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