第三十六話 パンテラシュラ・ジャグアーロ ページ37
月光の下、背中に背負った銃火器と掌に収まった金貨の袋を見ながら下卑た笑みを浮かべる。
今日は風が強く、それに注意がいってばかりだった金持ちたちからかっぱらってきた、所謂戦利品だ。
「ニャッハッハ、今日も大漁大漁!生活が潤うニャー」
大荷物を抱えているが、たかが犬の亜人に追いつかれる程、自身のスピードは遅くない。
なんて言ったって自身は誇り高きジャガーの亜人なのだから。
避けられない拳は無いし、見切れない剣も無い…それは流石に言い過ぎかもしれないが。
「ブニャ!?」
だが、調子に乗っていたせいで飛んできたビラを避けられずに、それは顔に直撃した。
再びそれがどこかに飛んで行かない様に爪でしっかりと摘まんで、ビラに書いて有る事を復唱する。
「我が世界、最高にファンタジー計画…メンバー募集中…私達は共に散らばった世界を繋ぐ仲間を探しています……。
ふへー、世界を繋ぐなんて、よくそんな事考え付くニャア。まぁ不可能なんだろうけど」
『いいや、可能だ』
突然ビラから魔方陣が飛び出し、しかも喋ったので思わず手を離してしまいそうになるが、住んでのところで止めて風に飛ばされ無いよう、皺になるくらい強く紙を握り締める。
どこかにスピーカーがついているのだろうか、そう思って裏を見てみたり擦ってみたりするがそんなものは無い。
やがて呆れたような声が再び魔方陣から響いた。
『何をしているのだ…
まぁいい、問おう。汝、この企画に参加したい者か?』
そう聞かれて少し押し黙り、声の指示通り参加した方の利益としなかった方の利益をすぐさま頭の中の天秤にかける。
世界が繋がる…客が増える、それに狙える人間が増える…つまり……。
「参加するニャ!」
完全に参加した方が得がある、参加しないという選択肢は無かった。
裏にある邪な心を見透かしてか透かしていないのか、声の主は淡々と続ける。
『そうか、ではこの中に入って貰おうか』
「了解ニャー」
目の前に出来た魔方陣に、何の躊躇も無く足を踏み入れる。
これから起こる出来事に期待を抱きながら、落ちていく感覚に身を任せた。
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夕暮れの紅猫(プロフ) - 浅葱_なずさん» 一応、続きがありますよ! (2017年9月5日 1時) (レス) id: bc75671915 (このIDを非表示/違反報告)
浅葱_なず(プロフ) - 凍結でつか(*゚▽゚) (2017年9月4日 22時) (レス) id: 638a6231c6 (このIDを非表示/違反報告)
夕暮れの紅猫(プロフ) - 欺瞞と悪戯の神・ロキさん» ありがとう! (2017年7月22日 17時) (レス) id: bc75671915 (このIDを非表示/違反報告)
欺瞞と悪戯の神・ロキ - 遅くなりました!直したよ! (2017年7月22日 16時) (レス) id: 55b7b486eb (このIDを非表示/違反報告)
欺瞞と悪戯の神・ロキ - 夕暮れの紅猫さん» わかった!何とかしてそれにする!僕の事はためでいいよ! (2017年7月21日 22時) (レス) id: 55b7b486eb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ステラどるちぇ x他14人 | 作者ホームページ:
作成日時:2017年5月28日 20時