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第三十四話 アンドリュー ページ35

気がつけば、周りは沢山の人やら亜人やら妖精やらなんやらでごった返していた。
一体何人集める気なんだ。 もう、こんだけ居れば十分な気がするが。

獣人、魔人、悪魔、エルフ……

ん?

「ちょっと声をかけてくる」

そう言ってフィルと一旦別れ、見知った顔の所へ歩を進めた。

それにしても、フィルがあんなに顔の広い奴だったとは。
まぁ、慕われるような人柄はしてるけど。
……それでいいのか盗賊。

「よう、リリガー。お前も来たのか」
目の前の全身青いエルフに声をかける。

リリガーは振り向くと、吃驚したように目を大きく開いた。

「アンドリューの兄貴! なんでここに」

なんで、なぁ……。

仮にもこいつには尊敬の目で見られてる。
さすがに煽られて乗っかってきた、なんて言えない。自分の名誉の為にも。
それに、あの時の熱りはとっくに冷めた。
……黙っているのが懸命か。

「まぁな。 色々あったんだ。色々。お前はどうしたんだよ」

すると、リリガーは少し真剣な顔になった。
「世界を繋ぐんだよ。協力して、皆で」

「そうか」

少し間を空けて、短い返事をした。

真面目すぎて何も言えない。
こんなに小さくても心は人一倍大人なんだ。

気まぐれで此処に来た自分が恥ずかしく感じてちょっと下を向くと

ギャァァウ

「おぅふ」

アリムが頭を咥え込んできた。

空気読むなこいつ。 一瞬でシリアスが壊れ……

「って痛い!やめろ!苦っしいわぁ!」
なんとか脱出し、ぜーはーと肩で息をする。

「アンドリューの兄貴、顔びちゃびちゃだぞ」

「ったく誰の所為でこうなってると……」
教育不行き届きすぎんだろ。

……と、一息ついた所で少し違和感。
さっきはあまり気にならなかったが。

「なんか、随分と騒がしいな」

そう呟き、奥の方にあった扉に視線を向けた。

第三十五話 シノ→←第三十三話 フィル・ライトハーテッド



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作品ジャンル:ファンタジー, オリジナル作品
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夕暮れの紅猫(プロフ) - 浅葱_なずさん» 一応、続きがありますよ! (2017年9月5日 1時) (レス) id: bc75671915 (このIDを非表示/違反報告)
浅葱_なず(プロフ) - 凍結でつか(*゚▽゚) (2017年9月4日 22時) (レス) id: 638a6231c6 (このIDを非表示/違反報告)
夕暮れの紅猫(プロフ) - 欺瞞と悪戯の神・ロキさん» ありがとう! (2017年7月22日 17時) (レス) id: bc75671915 (このIDを非表示/違反報告)
欺瞞と悪戯の神・ロキ - 遅くなりました!直したよ! (2017年7月22日 16時) (レス) id: 55b7b486eb (このIDを非表示/違反報告)
欺瞞と悪戯の神・ロキ - 夕暮れの紅猫さん» わかった!何とかしてそれにする!僕の事はためでいいよ! (2017年7月21日 22時) (レス) id: 55b7b486eb (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ステラどるちぇ x他14人 | 作者ホームページ:   
作成日時:2017年5月28日 20時

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