第三十三話 フィル・ライトハーテッド ページ34
「アンタまでいたとは」
いや、不思議じゃあないか。フェリヴァは、エルクを探し出すためなら何でもするからね。
「何だ、またお前の知り合いか」
アンドリューさんが苦笑しつつ言った。
「あたしは案外、顔が広かったって事だよ……この美人さんはフェリヴァ・ギャラクネス。いい奴だよ」
「美人やいい人なんて、て、照れますね」
そう照れ笑いを浮かべるフェリヴァ。冷たい印象を持たれがちだが、こういう風に笑うと一気に柔らかい印象になる。
「フェリヴァ、この悪人面はアンドリューさん。悪人じゃあないよ」
「……おい、その紹介はどうかと思うぞ。あー、まぁ、何だ、よろしく頼むな」
「はい、よろしくお願いします」
私たちがそうこうやっている間に、また誰か来ていたようで、気づけば2人、増えていた。
1人は、茶髪のボブの少女で、フードっぽい何かの毛皮を被っている。
もう1人は、かなり怪しい、というか不思議な格好で、黒装束を着ている。
……また個性的な奴らが来たみたいだね……。
そう思っていると、魔法陣が発動した。次々とくるね……
アリア眠たそうな顔でソファに行こうとするが、再び通知音が鳴って、一瞬不機嫌そうな表情になった。
魔法陣からは、一目でエルフと分かる、白髪青目の少年と……
「は……」
驚くべき事に、ドラゴンが出てきた。
「ん、あいつは……」
アンドリューさんがそのペアを見て意外そうな声を出した。
「その反応は、アンタも知り合いが来たのかい?」
「みたいだ。ちょっと声をかけてくる」
アンドリューさんが、エルフの少年の方へ向かう。そちらでは、いつの間にか、キルと少年が話していた。
「それにしても、信じられないほど、多くの種族が集まりましたね。100年ぶりの光景です」
フェリヴァが感慨深げに部屋を見渡す。確かに、この広い空間には、人間から妖精、悪魔など、実に多種多様な種族がいた。今も、再び開いた魔法陣から、黒髪の頭から2本の角が生えた青年が来た。角生えてるし、悪魔だろうか、何だか攻撃的な雰囲気を感じるねぇ……。
「ここまで集まると、問題が起こる気がしてくるね……」
つい、そう零すと、ひと仕事終えたアリアが眉根を寄せて、
「もう起こったかもしれん」
と、扉の向こうを見つめた。
「ここは例外はあるが、魔法を使えないようにしている。それに、少し綻びが生じた」
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夕暮れの紅猫(プロフ) - 浅葱_なずさん» 一応、続きがありますよ! (2017年9月5日 1時) (レス) id: bc75671915 (このIDを非表示/違反報告)
浅葱_なず(プロフ) - 凍結でつか(*゚▽゚) (2017年9月4日 22時) (レス) id: 638a6231c6 (このIDを非表示/違反報告)
夕暮れの紅猫(プロフ) - 欺瞞と悪戯の神・ロキさん» ありがとう! (2017年7月22日 17時) (レス) id: bc75671915 (このIDを非表示/違反報告)
欺瞞と悪戯の神・ロキ - 遅くなりました!直したよ! (2017年7月22日 16時) (レス) id: 55b7b486eb (このIDを非表示/違反報告)
欺瞞と悪戯の神・ロキ - 夕暮れの紅猫さん» わかった!何とかしてそれにする!僕の事はためでいいよ! (2017年7月21日 22時) (レス) id: 55b7b486eb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ステラどるちぇ x他14人 | 作者ホームページ:
作成日時:2017年5月28日 20時