第二十一話 フィル・ライトハーテッド ページ22
着いた先には、予想通りの人物がいた。
「やっぱり、アリアだったね」
つい言葉を漏らすと、きょとんとされた。
「十数年も前の事だから、覚えていないか」
こちらは、命を救われたから、よく覚えているけれど、アリアは気まぐれで助けてみたって感じだったからねぇ。
あたしの言葉に、しばし考えるような仕草を見せ、アリアは、ぽん、と手を打った。
「あぁ、あの時の賊に追われていた娘か。随分変わったな」
「賊はあたしもだよ。というか、成長速度が長寿種とは違うからね、人間は。十数年も経てば変わる」
なんだ、姿が変わったから分からなかったのか。覚えていてくれたのは、嬉しいね。
アリアは、「そういうものか」と呟くと、ソファの方へ行き、
「では、余は寝る」
と言って、寝てしまった。
すぐ寝る癖は、相変わらずか……。つい苦笑してしまった。
さて、流れで来てしまったが、どうしようか。アリアには、昔命を救われた恩があるし、恩を返す意味でも、この企画に参加するのは良いけど……主催者は寝ているし、具体的に何をすればいいのやら。
他に主催者はいないのかと思い、周りを見渡すと、見知った顔を見つけた。
金髪の混じった茶髪に、背に翼のある、変わらず少年の姿のままの奴。こちらも長寿種の、ロキだ。ここに来る前から交流がある。友人と言えるかは不明だが、付き合いは長い方だ。
「ロキ、奇遇だね」
声をかけると、ロキはこちらに気づいて駆け寄ってきた。
「フィルちゃんもこの企画に参加してたんだ〜」
「も、って事は、アンタは主催者側じゃないんだね」
「まぁね」
「ロキは、この企画が何か知ってるかい?」
「ポスターに載ってた以上の事は知らないよ。もう少し参加者が集まったら、説明するつもりなんじゃない?」
という事は、ここにいる参加者は、全員、まだ説明を受けていないのかもしれない。
「なら、しばらく暇になりそうだね。……今までの参加者はここにいる奴らで全員なのか?」
「ううん、何人かこの部屋から出たよ。それがどうかしたの?」
「いやね、同じ企画に参加しているんだから、交流を図った方が良いとだろうと思って」
「ん! 確かに」
今いる部屋を見渡す。
白髪のポニーテールの少女。黒コートの少年。薄水色の髪に翼のある少年。黒髪長髪の中性的な顔立ちの男。あたしらの他はこの4人。
「なぁ、アンタら、取り敢えず自己紹介をし合わないかい?」
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夕暮れの紅猫(プロフ) - 浅葱_なずさん» 一応、続きがありますよ! (2017年9月5日 1時) (レス) id: bc75671915 (このIDを非表示/違反報告)
浅葱_なず(プロフ) - 凍結でつか(*゚▽゚) (2017年9月4日 22時) (レス) id: 638a6231c6 (このIDを非表示/違反報告)
夕暮れの紅猫(プロフ) - 欺瞞と悪戯の神・ロキさん» ありがとう! (2017年7月22日 17時) (レス) id: bc75671915 (このIDを非表示/違反報告)
欺瞞と悪戯の神・ロキ - 遅くなりました!直したよ! (2017年7月22日 16時) (レス) id: 55b7b486eb (このIDを非表示/違反報告)
欺瞞と悪戯の神・ロキ - 夕暮れの紅猫さん» わかった!何とかしてそれにする!僕の事はためでいいよ! (2017年7月21日 22時) (レス) id: 55b7b486eb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ステラどるちぇ x他14人 | 作者ホームページ:
作成日時:2017年5月28日 20時