検索窓
今日:4 hit、昨日:4 hit、合計:15,807 hit

第二十一話 フィル・ライトハーテッド ページ22

 着いた先には、予想通りの人物がいた。
「やっぱり、アリアだったね」
 つい言葉を漏らすと、きょとんとされた。
「十数年も前の事だから、覚えていないか」
 こちらは、命を救われたから、よく覚えているけれど、アリアは気まぐれで助けてみたって感じだったからねぇ。
 あたしの言葉に、しばし考えるような仕草を見せ、アリアは、ぽん、と手を打った。
「あぁ、あの時の賊に追われていた娘か。随分変わったな」
「賊はあたしもだよ。というか、成長速度が長寿種とは違うからね、人間は。十数年も経てば変わる」
 なんだ、姿が変わったから分からなかったのか。覚えていてくれたのは、嬉しいね。

 アリアは、「そういうものか」と呟くと、ソファの方へ行き、
「では、余は寝る」
 と言って、寝てしまった。
 すぐ寝る癖は、相変わらずか……。つい苦笑してしまった。

 さて、流れで来てしまったが、どうしようか。アリアには、昔命を救われた恩があるし、恩を返す意味でも、この企画に参加するのは良いけど……主催者は寝ているし、具体的に何をすればいいのやら。
 他に主催者はいないのかと思い、周りを見渡すと、見知った顔を見つけた。
 金髪の混じった茶髪に、背に翼のある、変わらず少年の姿のままの奴。こちらも長寿種の、ロキだ。ここに来る前から交流がある。友人と言えるかは不明だが、付き合いは長い方だ。

「ロキ、奇遇だね」
 声をかけると、ロキはこちらに気づいて駆け寄ってきた。
「フィルちゃんもこの企画に参加してたんだ〜」
「も、って事は、アンタは主催者側じゃないんだね」
「まぁね」
「ロキは、この企画が何か知ってるかい?」
「ポスターに載ってた以上の事は知らないよ。もう少し参加者が集まったら、説明するつもりなんじゃない?」
 という事は、ここにいる参加者は、全員、まだ説明を受けていないのかもしれない。
「なら、しばらく暇になりそうだね。……今までの参加者はここにいる奴らで全員なのか?」
「ううん、何人かこの部屋から出たよ。それがどうかしたの?」
「いやね、同じ企画に参加しているんだから、交流を図った方が良いとだろうと思って」
「ん! 確かに」

 今いる部屋を見渡す。
 白髪のポニーテールの少女。黒コートの少年。薄水色の髪に翼のある少年。黒髪長髪の中性的な顔立ちの男。あたしらの他はこの4人。
「なぁ、アンタら、取り敢えず自己紹介をし合わないかい?」

第二十二話 リリガー→←第二十話 リア



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 8.9/10 (12 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
6人がお気に入り
設定タグ:募集企画 , ファンタジー , 小説版   
作品ジャンル:ファンタジー, オリジナル作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

夕暮れの紅猫(プロフ) - 浅葱_なずさん» 一応、続きがありますよ! (2017年9月5日 1時) (レス) id: bc75671915 (このIDを非表示/違反報告)
浅葱_なず(プロフ) - 凍結でつか(*゚▽゚) (2017年9月4日 22時) (レス) id: 638a6231c6 (このIDを非表示/違反報告)
夕暮れの紅猫(プロフ) - 欺瞞と悪戯の神・ロキさん» ありがとう! (2017年7月22日 17時) (レス) id: bc75671915 (このIDを非表示/違反報告)
欺瞞と悪戯の神・ロキ - 遅くなりました!直したよ! (2017年7月22日 16時) (レス) id: 55b7b486eb (このIDを非表示/違反報告)
欺瞞と悪戯の神・ロキ - 夕暮れの紅猫さん» わかった!何とかしてそれにする!僕の事はためでいいよ! (2017年7月21日 22時) (レス) id: 55b7b486eb (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ステラどるちぇ x他14人 | 作者ホームページ:   
作成日時:2017年5月28日 20時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。