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第十六話 アンドリュー ページ17

「あ"ーっと……。 なんだこれは」

目の前には一枚のビラ。
数日前から貼り出されていたのは知っていたが、こう、まじまじと見たのはこれが初めてだった。

「……我が世界、最高にファンタジー計画ぅ?」

ビラにでかでかと書かれた文字を読む。
散らばった世界を繋ぐ仲間を募集とかなんとか。

……正直、他の国なんて全然知らない。何処に在るのかすらあやふやだ。
まぁ、亜人の国に弟子っぽいのはいるし、よく手合わせもするが。

兎に角、俺には関係ない話だ。
多分、こういう企画に参加するのは、正義に燃える勇者であって俺の仕事ではないだろう。

そう、頭の中で納得をして、半ば地面に刺さりかけていた槍を握り直す。

この時間なら、酒場にフィルが居るだろう。

……と酒場への道をへ歩きかけたその時。

さっきのビラから声がした。

「汝、この企画に参加する者か?」

はて。酒はそこまで呑んでない筈だが。

「待て、幻聴ではない。余は此処から喋っているぞ」
ビラが俺の考えを見透かしたように喋った。

「い、いやぁ……。俺こう云うの興味無いんで大丈夫です」
精一杯の笑顔で返す。

正直に言うと怖い。
ビラが喋っている。 まぁ、魔法なんだろうからそこはいい。
考えている事を見透かされた。 其れが一番の恐怖だ。

そんな俺の声を聞くなりビラは呵呵大笑。

「何、顔の割には随分と軟弱だな、槍使いよ」

馬鹿に……されてる?

「なっ、軟弱……じゃねぇ……よ……」

どう考えてもこれは挑発だ。冷静を保て。
しかし、自分が自分で感情をコントロールできる程広い心の人間ではない事を俺は知っている。
ふつふつと沸き上がる感情に必死で抵抗しつつ、必死で顔では平静を保つ。

しかし、其れすらもバレているようで、
「腹が立つのなら此処まで来てみろ。其処にいられては手も届かん」

そう言ってビラから魔法陣を出してきた。



……いい加減キレそう。

我慢の限界を感じ、ビラの前へと歩を進める。

「参加するんだな?」
さっきより少し落ち着いた声でビラは問うた。

俺は無言で頷く。


こいつに会ったら即 串刺しにしてやろうか。

……とか考えながら俺の体は魔法陣へと吸い込まれた。

否、吸い込まれにいった、か。

第十七話 シノ→←第十五話デビルズファイター



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設定タグ:募集企画 , ファンタジー , 小説版   
作品ジャンル:ファンタジー, オリジナル作品
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夕暮れの紅猫(プロフ) - 浅葱_なずさん» 一応、続きがありますよ! (2017年9月5日 1時) (レス) id: bc75671915 (このIDを非表示/違反報告)
浅葱_なず(プロフ) - 凍結でつか(*゚▽゚) (2017年9月4日 22時) (レス) id: 638a6231c6 (このIDを非表示/違反報告)
夕暮れの紅猫(プロフ) - 欺瞞と悪戯の神・ロキさん» ありがとう! (2017年7月22日 17時) (レス) id: bc75671915 (このIDを非表示/違反報告)
欺瞞と悪戯の神・ロキ - 遅くなりました!直したよ! (2017年7月22日 16時) (レス) id: 55b7b486eb (このIDを非表示/違反報告)
欺瞞と悪戯の神・ロキ - 夕暮れの紅猫さん» わかった!何とかしてそれにする!僕の事はためでいいよ! (2017年7月21日 22時) (レス) id: 55b7b486eb (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ステラどるちぇ x他14人 | 作者ホームページ:   
作成日時:2017年5月28日 20時

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