【小説】我が世界、最高にファンタジー！！ (ページ2)

今日:1 hit、昨日:10 hit、合計:15,832 hit

第一話リアページ2

「何だコレー？」

私が街を歩いていると、こんな貼り紙を見つけた。

『我が世界、最高にファンタジー計画:メンバー募集中！私達は共に散らばった世界を繋ぐ仲間を探しています！！』

「散らばった世界を繋ぐ仲間……ねぇ」

ここは、かつて神々の戦いで国と国が分離されてしまった世界。
それは、『どうしようもない事』と、目を背けられてきた問題。

「へぇ……面白そうじゃん」

しがない浪人である私が、興味を持たないわけが無い。

すぐさまこの企画に参加しようと、落書きだらけのポスターに手を伸ばす。

すると。

いきなりポスターから魔法陣が浮き出し、しかも喋り出した。

『問おう。、この企画に参加したい者か？』

唐突に聞こえた少し幼いくぐもった声に私はスカートの中に隠した二丁拳銃もとい魔銃に手を伸ばす。

『これこれ、止めんか。もう一度問おう。汝、この企画に参加したい者か？』

どうやら自我を持つ術式か、遠隔会話の魔術らしい。

私は魔銃を戻し、魔法陣の声に答える。

「そうだよん。んで、参加するにはどうすりゃいいのさ？」

私が少し警戒しながら答えると、魔法陣の中から『そうかそうか！』と嬉しそうな声がひびく。

『簡単だ。ほれ、転ばないように気をつけるのだぞ？』

そういったきり魔法陣がスッとポスターに吸い込まれ、再び巨大化してポスターから出てきた。

「へ？」

すると、魔法陣は呆気に取られていた私を飲み込ん
だ。

急に眩んだ視界に私は思わず目を瞑り、開いた次の瞬間に私の目に飛び込んできたのは……

黒髪黒目の、小さな童女だった。

『歓迎しよう。ようこそ、我が世界、最高にファンタジー企画本部へ』

その童女は、魔法陣と同じ声で私にそう言った。