第四十六話 ピロ・ラッキーハッピー ページ47
魔法陣の先には、広い空間があった。そこには、様々な種族がいる。ここまでいるとなると、壮観だな。
「ハッハッハッ!!」
面白くて笑うと、皆がぎょっとしたようにこちらを見た。
「やぁ、諸君。ワタシは、ピロ・ラッキーハッピーという名だ。好きに呼んでくれ」
高々と名乗ると、ワタシは、辺り見回した。あの声の主を探すためだ。
そして、黒髪の眠たそうな目をしたチビに目を留める。あいつだな。
「キミが声の主だな。世界を繋ぐなど、酔狂な計画を立て、ここまで人を集めたのはキサマか?」
「半分は正解だ」
「なるほどな。で、いつ企画の説明をするんだ?」
ワタシの問いに、しばらく考えるような仕草をし、小娘は答えた。
「もう少し人が集まってからだな」
「遅いな。ここにいる者は有志で集まったのだろう? 待たせるのか? そもそも効率が悪いのだ。見る限り、ここにはお前しかいないのだろう、主催者は。このような人の集め方なら、せめて2人必要だろう。人を集める役または案内役、あなたがやっている事だ。それと説明役。それなら、この無駄な時間の間に説明を行えるし、集まった者達は手持ち無沙汰にならない」
「……そうだな、だが」
「まだワタシが話している。何人か集まった時点で説明すれば良かったのだ。そうすれば、キミが作業をしている間にその者達が次に来た者に代わりに説明をしてくれる。……はぁ、それと、ここにいる者達は愚かなのか。誰も、この計画の内容を聞こうとしなかったのか? 世界を繋ぐ、ただそれだけしか分からないままで、成り行きを見守っているなど……世界が分断された時もそうやって何も行動しなかったのか、キサマらは。まぁ、ワタシも何もしていないが。どうでも良かったからな」
ポカン、と間抜け面でこちらを見る者が数名、馬鹿なのだろうな。鋭い目でこちらを見る者が数名、何か言ってきたらどうなのだ。興味がなさそうにしている者が数名、頭が空っぽなのか? 笑っている奴が数名、頭がおかしいのだろうな。
そして、目の前のチビは、奇妙なものを見るような目でワタシを見ていた。
「……で、言う事はないのかね」
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夕暮れの紅猫(プロフ) - 浅葱_なずさん» 一応、続きがありますよ! (2017年9月5日 1時) (レス) id: bc75671915 (このIDを非表示/違反報告)
浅葱_なず(プロフ) - 凍結でつか(*゚▽゚) (2017年9月4日 22時) (レス) id: 638a6231c6 (このIDを非表示/違反報告)
夕暮れの紅猫(プロフ) - 欺瞞と悪戯の神・ロキさん» ありがとう! (2017年7月22日 17時) (レス) id: bc75671915 (このIDを非表示/違反報告)
欺瞞と悪戯の神・ロキ - 遅くなりました!直したよ! (2017年7月22日 16時) (レス) id: 55b7b486eb (このIDを非表示/違反報告)
欺瞞と悪戯の神・ロキ - 夕暮れの紅猫さん» わかった!何とかしてそれにする!僕の事はためでいいよ! (2017年7月21日 22時) (レス) id: 55b7b486eb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ステラどるちぇ x他14人 | 作者ホームページ:
作成日時:2017年5月28日 20時