【小説】我が世界、最高にファンタジー！！

第十八話　アスタロト・アナザー ページ19

『ベルゼブブ様、あちらに何やら扉がありますよ？』


私はそう言い翼を羽ばたかせた。


私が今化けているのはベルゼブブ様が一番気に入っている蝶の種類、クロヒカゲチョウ。


学名はLethe diana。


Letheは忘却の川を表し


dianaは月の女神を表す素敵な名前。


ベルゼブブ様はリア様と大変仲が良く最近は堕天使た時よりも調子もよさそうに笑っていらっしゃる。


側近として何よりの喜びだ。


「どれどれ、木製のドアだな」


素材を確かめながらベルゼブブ様が云う。


「鍵はかかってないみたいだし・・・」


ニヤッと笑いを零したリア様。


「い、いや一寸待て、中に何かＧ「開けちゃえ！！！！！」ヤメロ！！！！」


ドアが開くと同時にベルゼブブ様の悲鳴が響く。


「ヤメロと言っただろう！？」


ベルゼブブ様がリア様に向かって激怒する。


それを無視してリア様は開いた扉の向こうを訝し気に見てから言った。


「書庫だ・・・」


「『書庫・・・？』」


そこにはあまりのにも大きすぎる空間が私たちを待ち構えているようだった。

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