音、 ページ19
わたしは、音があまり耳に届かない。
小学生の頃は補聴器のいじめをよく受けていた。
お母さんが物心つく前に死んでしまって、
お父さんだけは、わたしの味方でいてくれた。
でも、そのお父さんも病気で死んで、
親戚の人が優しくしてくれたけど、
それでも不安が絶えなかった。
耳が聞こえないわたしにとても迷惑がかかってるんじゃないかって。
耳が聞こえてないわたしの前だけ、いい人を装って、
裏では絶対めんどくさい奴だって思ってるんだって。
眠れなくなって、不眠症になりかけて、
病院で治療してもらったりしたけど、
、
、
朝、デビルズパレスの自室のベッドから目を覚ます。
人が起きるには、少し早い時間。
ノイズがかかったようにしか聞こえない目覚まし時計。
補聴器をつけて、今日も顔を洗いにいく。
ベリアン「⦅おはようございます⦆」
『⦅おはよ⦆』
ベリアン「⦅相変わらず朝顔早いですね。尊敬します⦆」
『⦅ありがとう⦆』
ベリアン「⦅先に二人で下に降りていましょう。
もう直ぐ朝食もできるはずです⦆」
信じたくないけど、ここにいる人たちも、
わたしにめんどくさいって思っているのかな。
怖いよ。もう、誰を信じればいいかわからない。
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作者名:星空ブリキ x他1人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Buliki/
作成日時:2023年7月1日 22時