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次の日の朝、なんとなく、本当になんとなくだがいつもより少しだけ早く起きて、少しだけ早く家を出て。
別に隣同士なんやし、急がなくても一緒に行くんやけど、なんとなく、あいつの声が早く聞きたくて、家の前じゃなく、Aの家の玄関前で待っていた。
｢？あれ？ゾム、今日は早いね、おはよ｣
｢…お、おー…｣
｢？なにその返事、具合悪いの？｣
｢そ、そんなんちゃうし！はよ行くで！！｣
｢えっ、ちょ、ぉわぁあ！！｣
昨日1晩ぐるぐると考えていたモヤモヤ。よくわからないそれが、何故かAの声を聞くと少し落ち着いて。
昨日元気が無かったオレのしっぽは、しゅるりとあいつに巻きついて、そのまま空へ飛び立った。
後ろからは｢ぎゃぁああ！飛べる！飛べるってば！！｣と、何やら叫び声が聞こえるが無視。久々に聞いたAの叫び声が少しだけ懐かしく感じた。
｢うぇぇ……酔った……｣
｢弱なったなお前、｣
｢誰かさんのしっぽが飛べるって言っても離さないまま宙ぶらりんの状態で爆速で飛ばされたからですけども！？｣
｢んひひ、なんや、久々に聞いた気がするなぁ、お前のそんな声、｣
｢よく言うよ…すーぐどっか行け、とか言うくせに…｣
｢そんなん言っとらんもーん、｣
｢はいはい、もー…素直になればいいのに、｣
｢どういう意味やねん、｣
｢別に？じゃあ放課後ね、待ってるから！ちゃんと授業サボらないで出るんだよ！｣
｢わかっとるわ！｣
そう言って手を振るAが教室に入るのを見送ってから、自分も教室に入る。
今日も今日とて愉快な友達がまたぎゃいぎゃいと騒いでいて。
｢なんの話ー！？オレも混ぜてや！！あ、せや、今日なー…｣
放課後、新しい奴連れていくつもりやから。
そう言おうと思った言葉は、何故か喉で突っかかった。
そして黄金の夜鬼鼠破パン争奪戦をしたり、めっちゃ眠い授業を乗り越え、放課後。
｢あれ？ゾム、どこ行くん？｣
｢あー、今日は隣のクラス寄ってから行くわ、｣
｢なんで？なんか忘れ物でもあんの？｣
｢いや、そのー、まぁ、後でわかるやろ、｣
｢ほーん、先行ってんで、｣
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作者名：!! | 作成日時：2023年6月3日 11時
