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side kiriyan
廊下を飛んでいく。
暫くして、ナカム達の待つ白尾師団の活動場所の近くに来れば、私は立ち止まった。
「...ばぁーーッ！！ぎんぢょうじだァッ！！！！」
近場にドスンと腰を落とせば、安堵感で涙が出てくる。
天才とあろうものが無様な姿になっているのだろうが、しょうがない。うん、しょうがないのである。
だって、好きな子に余裕綽々で話しかけるとかムズいに決まってんじゃんッ！！
「...ｽﾞﾋﾞｯ...第一段階、“うっかり接近大作戦”は成功、か。態々試作品の魔重力ばらばらくんを用意しておいて良かった〜...」
Aさんが師団に所属しながらも、ほぼ幽霊部員である事はすぐに調べがついた。毎日の様に、他の師団を眺めては帰る事も。
だから、前にクラスの女子達がサキュバス誘惑学についてポロッと零していた術を実践する事にしたのである。確か名前は...。
「えっと、“吊り橋効果”だったかな？まぁ、本当に効いてるかは正直不安だけど...次に会う約束取り付けられたのは、デカいぞ...ふふふ...！」
流石天才！と自分を褒め讃えたいところだ。滅茶苦茶不格好だけどね。
「まずは収穫祭までの協力者...って感じになっちゃうかもしれないけど。その先も話せる様にしないとな...ナカム達との打ち合わせの時間もあるし...」
スケジュール管理、旧我々師団の対策。
そして何よりAさんとの、話の話題を増やす事。
やる事は多いが、問題は無いだろう。
…だって、Aさんの瞳は、私をちゃんと見てくれてたんだから。
「よ〜し！覚悟しなさいAさん！」
そう言い、私は右手を空に掲げる。
「...この天才ドクターの
…クイッ
「あ。ヤベ、魔重力ばらばらくん持ったままなの忘れｱﾞｱﾞｱﾞｱﾞｱﾞｱﾞｱﾞｱﾞｱﾞｱﾞ！？」
私はその後、ナカム達が来るまで木につかまり続ける事となった。
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作者名：!! | 作成日時：2023年5月28日 12時
