【魔！企画】悪魔は今日も尻尾を揺らす【前編】 (ページ6)

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うっかりやのてんさいくん/kryn ページ6

晴れ渡る空。暖かな太陽。
廊下の窓から見える桜の大樹(ピンクのふわふわ)が、今日も綺麗に見える。

『平和だな〜...』

授業も終わり、周りの悪魔(ひと)達は師団(バトラ)活動に勤しんでいた。
私は特にやりたいことも無い為、入ってる師団には殆ど幽霊部員のようなものだけれど、あれだけ色々と打ち込めたら楽しいのだろうと思う。

『ま、そうは言ってもやる気無いしなぁ。帰るか...ん？』

窓から視線を外し、廊下を進もうとすると、奥から何かが飛んできている事が分かった。
それも、中々のスピードで確実に此方に近付いてきている。

…誰かが飛んでるのかな？

一応、進行方向から少しズレようと足を動かそうとした。

…その時。

「……ｧｱﾞｱﾞｱﾞｱﾞｱﾞｱﾞｱﾞｱﾞｱﾞｱﾞ！？！？！？」
『えっ！？』

劈くような悲鳴と勢いに足を止めてしまい、私はその飛んできた何かにぶつかる。
聴覚と直感をやられてしまい、勢いそのままに廊下の奥へと飛ばされていく。

な、なに...いまの、魔獣みたいな悲鳴...？

私はその衝撃で、物の見事に意識を手放した。

※ ※ ※

「...ぇ！...てる...！？」
『ん...？』

誰かが、呼んでる。
ボワボワした頭が、その誰かの声によって少しずつ鮮明になっていった。

「あ！目ぇ覚ました！だ、大丈夫...？」
『...え、と...そんなに、でもない...』
「うっ...で、デスヨネー。取り敢えず、立てる？」

目の前の誰かの手を借り、私はゆっくり立ち上がる。意識がハッキリしてくると、その誰かの顔もよく見えてくる。

ふわふわの金髪に、楕円形の眼鏡、黒い白衣みたいな格好の男子。私は彼に見覚えがあった。

『えっと...キリヤン、くん？』
「あ、うん。よく覚えてたね、私の名前...」
『同じクラスだし...キリヤン君、クラスでも背が高いからすぐ覚えるよ』

キリヤン君は、私と同じ一年生のクラスメイトだ。
いつも何かしら作ってるイメージが強く、ナカム君やシャークン君とかと一緒にいる所をよく見かけている。

…あ、そう言えば。

『さっき凄い勢いで飛んでたのって、キリヤン君？何処かに急いでたの？』
「あっ...えー、っと...」

私の言葉に、彼はぎくりと肩を跳ねさせる。
その様子に私が首を傾げていると、彼は言い辛そうに口を開いた。
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