【魔！企画】悪魔は今日も尻尾を揺らす【前編】 (ページ3)

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「はい！私はまだ恋愛をした事がないので、この街サバトを通してそれを知ろうと思ったんです」
「…！」
「それでサバトマスターさんと交流すれば確実に何か大きなものを得られると思ったのですが──」
「わ、私も同じです…！」

突如、エーミールさんが私の言葉を遮った。

「え？」
「私、街サバトマスターなんて呼ばれてますけど、実際には女性とどう話せばいいか全く分からないんです。だから恋愛とは何なのかを未だ理解できていませんし、今もこうしてサバトに参加して模索中なんですよ」
「そうだったんですね…」
「…私はAさんが知りたいことの答えを持っていないんです。申し訳ありませんが、もし恋愛のアレコレについて知りたいのなら他を当たることをお勧めします」

彼は申し訳なさそうに、そして少し寂しそうに私にそう告げた。
エーミールさんの言葉が本当ならば、助言通り他を当たる方が賢明なのかもしれない。だけど私はこのまま彼と離れるのを厭ってしまった。
なぜなら彼は、知的欲求を満たしたいという私と同じ「欲」を持った悪魔なのだから。生まれて初めて出会った仲間なのだから。

「…エーミールさん」
「何ですか？」

私はエーミールさんとの距離を詰め、彼の手を握りながらこう言った。

「私達、付き合いましょう！」
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