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「ほら、何処が分からないんですか。アンタ、ランクは1ですよね。授業すらもついて行けなくなったら終わりますよ。飛行レースもトントンさんの背中に乗せて貰ったんでしたっけ」
『ぐ、ぐうの音も出ない……。これを落とすと本当に我々師団に顔見せる事が出来ないかもなので！！カルエゴ先生との補習きついなぁ。入間くんも……あ、入間くんの友達のアズくんだっけか、主席合格だったとか教えてくれないかな。ていう事でショッピ先輩失礼しました……』
「は？俺の安眠を妨害しといて何処かへ行こうだなんて烏滸がましい事するんですね。アンタのその間抜けな頭じゃ、その人達に呆れられて終わりですよ。んで、何処が分からないんですか」
『あ、えっと此処です』
普段はショッピ先輩の煽りや棘のある言葉には話半分で聞いているのだが、飛行レースのあの事件はトントンくんに滅茶苦茶迷惑と足を引っ張った記憶があり、グサグサと心が刺された。何処か居心地が悪くて、ショッピ先輩から離れる様に出していたノートと筆記用具を鞄の中に入れようとするとショッピ先輩に止められ、何故か勉強を教えてもらう事となったのだが。
「アンタ、物覚え悪すぎません？全く、仕方ないですね。今日から俺と……」
ショッピ先輩が何を言いかけた瞬間に大きい音を立てて師団の扉が開く。其処に居たのはチーノ先輩で、私を見つけた瞬間に笑顔になって駆け寄って来る。
「Aー！やっぱ此処おってんやな！飯食いに行こや！！あ、ショッピ、お前も飯食いに行かへん？今、トントンとゾムが飯食うの競ってるんよ。てかA勉強してるん？偉いなぁ。でも頑張りすぎなんも厳禁やで、ほら、行こや」
「いや俺は勉強教えて……」
『ていうか、チーノ先輩、拒否権無いですよねこれ私に。まあ行きますけど、腹が減っては戦はできぬって言いますしね！』
「おう！その通りや。ほら、行くで！」
『あっ……もう、すみませんショッピ先輩。また後で！』
ショッピ先輩が言おうとした事を遮ってしまい、聞こうとしたのだがチーノ先輩が楽しそうに腕を引っ張るものだからとりあえず挨拶だけしてショッピ先輩と別れる。
その時の私には、ショッピ先輩の私に対するいつもよりも濁ったような瞳に気付かなかった。チーノ先輩との食堂への連行と、そういえばお腹空いてたなという気持ちで一杯だった。
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作者名：!! | 作成日時：2023年5月28日 12時
