【続】あいしてください【zm】 (ページ28)

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漆拾陸(しちじゅうろく) ページ28

ディオス国に宣戦布告した我々国は、拮抗しているシノア国軍と合流すると直ぐにディオス軍の特攻部隊を押し返し、ルー大陸からの上陸作戦を誘導し無事成功させる。
そこに我々国の属国の軍も到着し、およそ8カ国がディオスの猛進を食い止め、押し返してゆく。
そのまま首都前まで攻め込み、首都を崩落すれば勝ちも同然

だったのだが。

「総統！！守りが硬すぎます！！ルー大陸の軍が壊滅、シノア国軍が崩れだしました！！」
「ぐぅ……！」

敵は首都に国軍のほとんどを集中したらしく、こちらの犠牲者が増えるばかりであった。
グルッペンは眉を顰める。
このままここに兵力を集中させて、東のルートを辿っているカドレア国軍を待って包囲するか……？
いや、しかし恐らく間に合わずに先にこちらが壊滅する。

「1度撤退する！幹部にも伝えろ！！全軍撤退だ！！」

ここまで来て、くそ。
頭の中で何度も悪態をつく。
せめて、せめてどこか、応援が来てくれたら……！！

ダクトの中を這いずりながら、監視カメラを操作する部屋を目指す。
作戦開始の命令が出てからかなり時間が立っているが、みんなは、大丈夫だろうか。

いけないいけない、と首を振る。
任務だ、それも自分の命がかかっている。
集中しなければ、と思いつつ辿り着いた部屋を盗み見ると、暗い中にカメラの映像が映し出されている大きな画面が見えた。
ビンゴ、と思いつつ人数を数える。
画面にへばりついてるのが2人、ドア付近に1人。となると恐らくドアの外側にも1人。
音を立てないようにダクトの蓋を外すと、闇に紛れて降り立ち、画面前の2人の首を素早くナイフで掻っ切った。

「ひっ、だっ」

ドアの前にいた男にサッと近寄ると喉仏を掻き切っり、直ぐにドアの死角へと隠れると、ガチャリとドアが開く。

「おい、何か＿＿＿ひっ？！」

入ってきた男の口を塞ぎながら中へ引きずり込みそのまま頸動脈を切る。
物音がたたないようにそのまま寝かせると、ドアから外を伺う。
広い廊下には、あらかた出払っているためか誰もおらず、ふぅ、と息をついて画面の方へ戻ると、監視カメラを全て停止させた。
そして、もう一度外側を警戒したあと、足音を立てないようにその部屋から出た。