漆拾参(しちじゅうさん) ページ24
そこからの皆の行動は、はっきり言ってめちゃくちゃ早かった。
「ロボロ、ルー大陸の奴らがどの辺に上陸作戦やるか調べろ。
そこに応援を入れたい。」
「了解！」
「シャオロン、コネシマ、部隊を集めろ。
あぁ、怪我人は連れてくるなよ。」
｢｢おけいっ！｣｣
「しんぺい神は引き続き怪我人の治療を。」
「任せとけ！」
「兄さんすまん、急ぎでカドレア国から物資補給を頼めるか。
一週間後までに出来るだけでいい。」
「ほんまに人使い荒いわオマエ。
分かったやるよ。」
「トントンは属国の徴集手配と同盟国の応援依頼を頼む。ショッピも手伝ってくれ。」
「はいよ。」
「了解っす。」
「大先生はクラレ先生に、"あれ"の準備を、と伝えろ。」
「りょ、……」
了解、と言いかけた鬱先生の顔がこれでもか、と引き攣る。
ほかの幹部は何のことだ、と首を傾げる中、グルッペンは息を吸うように笑うと、大先生は震えながらも頷いた。
「オスマン、シノアとディオスに宣戦布告の旨を伝えて来い。ひとらんは護衛を頼む。」
「俺の仕事くっそ重いめう〜
しゃあねぇなやっか。」
「わかった。」
「エーミール、Aは今から俺と作戦会議。」
「了解です。」
『了解しました。』
「そんでゾム。」
グルッペンの目がちょっと悪そうに歪む。
それを見た古参のメンバーは、あ、やばい顔だ、と防衛本能から、つい目を逸らした。
「観光してこい。」
その普通であれば残酷な言葉にゾムの目はキラキラと輝いた。
ひははは、と高い声で笑うと、耐えきれなくなったのかナイフを振り回していた。
「りょーかい。
全員殺してもええやんな？」
「あぁ。死ぬなよ。」
「あったりまえや。」
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