【続】あいしてください【zm】 (ページ11)

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陸拾(ろくじゅう) ページ11

次の瞬間にはすん、と真顔になっていたソルティアに気づかず、Aはところで、と話を変えた。

『ゾムはソルティアさんの教え子なんですか？』
「そうだよ。ゾムと、あとシャオロンとコネシマとショッピは教えたかな。まぁ全部って訳じゃないけど。」
「建国される前から教官やってたもんな。
まぁ力も体力もないおばさんやけど。」
「誰がグルッペンより年上じゃ殺すぞ」
「いや言ってないんやけど」

え、とAは思わず硬直する。
グルッペンさんより年上？こんな綺麗な人が？

『私の少し上くらいだと思ってました、ソルティアさんやっぱりお綺麗ですね。』

尊敬の意を込めて微笑んでそう言うと、彼女も褒められ慣れていないのだろうか、ちょっと目を丸くして頬を淡くピンクにさせた。

「……ねぇこの子あの動物園に入れとくの間違いだと思うんだ、私が貰ってってもいい？」
「いや駄目に決まっとるやろ。てか動物園言うな。」

むーとソルティアが口を尖らせたのを見てちょっと笑ってしまう。
彼女は椅子に座り直すと、はぁ、とため息をついた。

「で、ゾム、本題は？」
「あぁ、忘れとった。」

いや忘れんなよというツッコミを呑み込んだソルティアに、ゾムはポケットから出した一通の黒い封筒を差し出す。

「いつも通り、"収集"。宜しく頼むわ。」

「……全く、グルッペンも人使いが荒いね。」

その言葉にゾムはひはは、と楽しそうな笑みを零した。

「そういう所も、好きやろ？」

Aはちゃらかしかと思ったが、ソルティアは表情を変えることも動じることもせずに、ただ目を光らせていた。

「嫌いだよ。」