推しキャラに愛されたい！！ アニメいろいろ短編集

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〜妓夫太郎〜


｢じゃあ買い物行ってくるからお留守番しててね。知らない人が来ても戸は開けちゃダメよ｣


妓夫太郎｢そんな心配するなら俺も連れてけ｣


｢私といると飛鳥まで笑われるから｣


妓夫太郎｢だったらその面を取れ｣


｢これは私の顔だから。じゃあ行ってくるね｣


妓夫太郎｢あぁ｣


｢……行ってくるね！｣


妓夫太郎｢分かったから早く行け！！｣


いつもそうだ


どこかに出掛ける度に、離れ難いとでも言うように俺を抱きしめる


心地良い温かさに抱きしめ返したくなるのに、汚いことを沢山してきたこの手で自分から触れるのは躊躇う


置いて行かないでくれと叫びたくなる思いを押さえ込んで、いつもみたいに見送る



今日ここはAが何をしているのか突き止めてやる


守る(用心)のため鎌を持って一定の距離をとりながら後をつける


やっぱあの面のせいでやべー奴たも思われ遠巻きにされてやがる


慣れた俺からしてみれば、あれが普通の反応



特に変わったことはないと安心しきっていると、歳のくった男数人に囲まれ路地裏へと連れ込まれた


ふ…ふざけんじゃあねぇ！！


俺が大切にしたいと思うものばかり奪い傷つけやがって




実際にはいかがわしいことをされてなくて、抵抗できないよう抑えつけたAを一方的に痛めつける



何が起きているのか分からなかった


どうしてAは罵倒されながら殴られる？



嫌われているとか、そんな優しい理由じゃない



助けなきゃいけないのに足が動かない


知りたいんだ俺は



どんな些細なことでもAのことを



一通り終わると疲れたのか男達は行ってしまった





さて、じゃあ俺も殺るか


過ぎたことをグダグダ言っては全ての責任をAに押し付けたクズ共を殺してらやねぇとな



これは報いだ



Aは自分ではやり返したりしないから、俺がやる



二度とAを侮辱(バカ)に出来ないよう永久に口を塞いでやる


そしたらAもきっと俺を……




動か無い死体を見て思った



人を殺したと言えるわけがない



幻滅される 怖がられる



側を……離れていく


妓夫太郎｢ああ……あーーー！！どうすりゃいい！？無理だお前がいなくなるなんて……！！｣


汚い俺を綺麗なモノのように扱ってくれるAは俺の希望


あの変な面を付けてても、俺を妓夫太郎と呼ばなくても、ただ側にいてくれるだけで俺は……



だってもうAは俺の世界の一部になってしまった

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