推しキャラに愛されたい！！ アニメいろいろ短編集

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〜悟浄〜



どうしてこう、俺が声をかける女は男がいんだろうね


イイ女は笑ってて欲しいってのに



いなくなった男のことを無理に忘れろとは言わねぇよ?


でもさ、新しい恋を見つけるのも一つの手だと思う


悟浄｢ね、俺にしとかない？｣


｢ごめんなさい｣


悟浄｢俺のこと知ってから振っても、遅くはないと思うけど｣


｢彼が……いいんです。ずっと｣


悟浄｢何。そんなイイ男なわけ？｣


｢はい｣


ここにはいない、その男の姿を見ては即答だった


誰かを一途に愛したら、この子みたいに遠く離れていても、ずっと想っていられるんだろうか



町につくと、礼を言っては一人で買い出しに向かう


Aちゃんの目的地がどこかは知らねぇけど、少なくとも俺達と同じ西に行くってことだ


この町について、はいさよなら、なんておかしいだろ


悟浄｢Aちゃん！｣


慌てて追いかけると、不思議そうに俺を見る顔が可愛かった


悟浄｢Aちゃんってさ、どこまで行くの｣


｢どこ……？彼が見つかるまで｣


悟浄｢つかさ、何で西？今、妖怪が人を襲ってるって知ってるだろ？西に行くほど、凶暴なのがいるんだぞ｣


｢元々、彼は西から来た人なんです。だから行く宛があるとすれば西かなと｣


その前に自分が死ぬかもとは思わないのか


悟浄｢その男さ。見た目はどんな感じ？もしかしたらどっかで見かけたかもしんないからさ｣


｢髪は短くて、ヒョロっとしてて、でも背は高くて、のほほんとした人です｣


見たような、見たことないような感じだな


｢あの、悟浄さん。さっきから見られてないですか？｣


店頭売りのおばちゃんは俺を見てはギョッと目を見開く

他の店も、すれ違う奴も振り返る


悟浄｢俺がカッコ良すぎるから見惚れてるんじゃない？｣


おちゃらけてみても、そうじゃないことぐらい分かる


驚きの中に脅えが隠れている


悟浄｢もしさ。見つかんなかったらどうすんの｣


我ながら意地の悪い質問

まだ死んだと決まったわけじゃないのに、手掛かり一つ見つかったわけでもないのに、希望を奪うような言い方


｢そのときは……諦めるしかない、のかな｣


悟浄｢俺に乗り換えるって手もあるけど｣


｢悟浄さん……。それ、出会う女性みんなに言ってません？｣


悟浄｢バレた？｣


｢悟浄さんって軟派ですよね｣


悟浄｢めちゃくちゃ硬派よ、俺｣


｢硬派な人は女性を口説きませんよ｣


悟浄｢いんや。意外とそうでもないさ｣

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