推しキャラに愛されたい！！ アニメいろいろ短編集

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〜悟浄〜



朝になると、飯の前にAちゃんに会いに行った


静かだからか、鳥がAちゃんの周りに集まる




動物に好かれるのは優しい人間だと思う


心が穏やかで、警戒する必要がない



俺が近づけば鳥は羽ばたいて逃げて行く


悟浄｢初めまして……じゃないんだけどさ。ほら、昨日会ったよね。一応｣


何者も映さない瞳は真っ直ぐと俺を見る


昨日はすぐ逃げたのに今日は逃げないのか


いや、違うな。これは……



もう、どうでもいいんだ


何もかもどうでもよくて、楽になりたい


そんな思いが伝わってくる



こんなになるほど、その猫は大事だったのか


悟浄｢俺らと旅をしないか？つっても西に行くだけなんだけど｣


無反応


心を閉ざしたことにより、喋ることも出来なくなったのか


三蔵｢おい、えろ河童。ナンパは成功したのか｣


悟浄｢うるせぇよクソ坊主｣


八戒｢悟浄の朝ご飯、悟空が全部食べちゃいましたよ｣


悟空｢勝手にいなくなった悟浄が悪いんだぞ｣


八戒｢Aさんですか？綺麗な方ですね｣


これは素直な感想だ



死んだ黒猫を抱いてなけりゃ、もっと大袈裟に言えた


外傷はなく、ましてや病気でもなく、本当にいきなり、寿命が尽きたって感じだ



猫だけが家族だなんて、訳ありなんだろうが、それを聞けるほど俺達は親しくない


三蔵｢いくら妖怪が寄り付かないとはいえ、俺達がいたら集まってくるかもしれん。長居は無用だ｣


悟浄｢へいへい。つーことでAちゃん。君に拒否権ないから行こうか｣


抱き上げると軽かった


猫が死んだ3日前からなにも食ってないんだ


これほどまでに大切な家族だったのか


悟空｢これからよろしくな。俺、悟空。こっちの目付き悪いのが三蔵。んでもって優しそうなのが八戒｣


八戒｢聞いてた以上に、固く閉ざされちゃってますね。心｣


三蔵｢お前らで面倒見ろよ。俺は知らん｣


悟浄｢うわー。全部丸投げしましたよ、この人。やぁね。お坊さんのくせに｣


悟空｢人の心が分からないんじゃなくて？｣


三蔵｢気色悪ぃ口調やめろ｣


八戒｢言っときますけど。三蔵、悟浄。しばらくはタバコ控えて下さいね？｣


三蔵/悟浄『はぁっ！！？』


八戒｢当然でしょう？僕らだけならともかく、Aさんが一緒なんですよ。健康を害したらどうするんですか｣


悟空｢いい機会じゃん二人とも。禁煙すれば｣


タバコとライターを八戒に奪われ、禁煙を余儀なくされる

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