推しキャラに愛されたい！！ アニメいろいろ短編集

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〜悟浄〜



心臓が跳ねたのは気のせいじゃない


自分の鼓動がうるさくて身体ん中が熱い


悟浄｢どうもー。Aちゃんって言うんだよね。聞いてた通り可愛いね｣


俺を無視して家の中に入っては、ガチャっと鍵を閉める音がした


はぁぁ！何だあれ


挨拶ぐらい返してくれてもいいだろ


美人ってたまに感じ悪いのいるけど、あそこまでハッキリ拒絶するこたァないだろ


このイケメン悟浄様相手によ



酒場はあっても綺麗なお姉ちゃんがお酌してくれる店はない


買い出しは八戒が済ませちまうだろうし何もすることがない


八戒｢好みじゃなかったんですか｣


悟浄｢は？｣


八戒｢Aさん。会いに行ってたんでしょう？｣


悟浄｢ま、美人だった。性格はどっかのクソ坊主といい勝負だぜ｣


女主人｢3日前まではあんなんじゃなかったんだよ｣

男主人｢猫が……死んじゃったから｣


悟空｢猫？あの、ニャーって鳴く｣


悟浄｢たかが猫が死んだぐらいで、あんな性格悪くなったのかよ｣


女主人｢たかがじゃない！Aちゃんにとっては、たった一人の家族だったのよ｣


聞けば、その猫は唯一の心の拠り所だった


ずっと一緒に生きてきた家族が何の前触れもなく、朝起きたら冷たく動かなくなっていた



心を閉ざすには充分すぎる


何も知らないくせに俺は、性格悪いとか決めつけちまったのかよ


男主人｢アンタら旅のお人だろ？Aちゃんを外の世界に連れ出してくれないか｣


三蔵｢断る｣


即答かよ。クソ坊主


いやまぁ、妖怪に狙われる俺らと一緒にいるのは危険だけども


ちょっとでも心の回復になったらって思いで、俺らに頼んでんだろうに


八戒｢いいんじゃないですか。少なくとも妖怪を追っ払えるだけの実力はあるようですし｣


三蔵｢余計な荷物は増やせねぇってことだ｣


悟空｢人助けは坊さんの義務だろ｣


三蔵｢義務じゃねぇよ。それに、死んじまった命は、どうにも出来ねぇよ｣


それは……その言葉は痛いほどよく分かる


でもそれは、目の前で衰弱して、明日死ぬかもしれないって奴を見捨てる理由にはならない


俺は見てみたいだけかもしれない


あんな目をするAちゃんが、どんな風に笑うのか




俺はもう二度と見たくないんだ


女が泣くとこなんて


八戒｢三蔵。一宿一飯の恩があることですし、少しだけでも、気分転換させてあげましょう｣


三蔵｢勝手にしろ。ただし、責任はお前らが持てよ。お前らが連れて行くんだからな｣

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