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「あのねッ、
空港から出て電車に揺られていると、蘭が少し泣きそうな顔をして話を切り出した。
『え!新一が??と、取り敢えず落ち着こう、蘭』
キャリーケースを自分の足元に寄せる。
比較的空いていた車内の座席に蘭を座らせて、軽く背中をさすると徐々に蘭の呼吸が落ち着いた。
「ご、ごめん…。数日前、私と新一で遊園地に行ってから学校にも来てないし、家にも帰ってないみたいで…」
わたし、どうしたらいいの?と手の甲で目元を強く擦っている蘭の手首を優しく掴む。
『そんなに強く擦っちゃったら、ヒリヒリするよ。ほら、蘭は笑ってる顔が一番似合うんだから、ね』
だから泣かないでと伝えると蘭は涙を止めた。
……ちなみにこの時新一に対して、私の蘭を泣かせたことを後悔させてやる……!と燃えたのは蘭には秘密。
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『なるほど。"
蘭が詳しく話してくれたことを纏めると。
新一が行方不明であることを不安に思った蘭は、博士の所に夕方頃向かった。
そこで、新一のことを警察に伝えようとすれば、「いつものように事件に首を突っ込んでいるだけ」と言われたらしい。
「そうなの。いつも事件事件って言ってたから……」
空に浮かぶ月をぼうっと見つめる蘭に、私はかける言葉を見つけることができなかった。
変わりにふらふらと彷徨った左手で蘭の頭を撫でる事しか今の私には出来ることが無かった。
《次は米花、next米花》
掲示板にそう表示されたのを確認して、私たちは電車から降りた。
…
友達想い
…
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作者名:すずな | 作成日時:2022年4月18日 19時