File 4 消えた名探偵 ページ22
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ヨーコさんの事件から三日が経った。
「へー…指紋出てきたんだ…」
「そうよ!お父さんの推理どおり、クシからバッチリ!!わたし、お父さんの事見直しちゃった___♡」
雪がちらつく中、江戸川君と蘭と並んで歩く。
普通子供を真ん中にして手を繋ぐ筈なのに、私が挟まれる形で両手をとられている。
『すごっかったもんね、小五郎さん。でも、結局ヨーコさんはゆう子さんの事訴えなかったらしいよ。これからもライバルだ〜って言ってた』
「ふーん…て、なんで知ってるの!?」
『ん?なんか事件の後、お二人と話してたらいつの間にか連絡先交換してて……あはは』
「まったく、天然人たらしは今も健在なのね……あっ、ヨーコさん!!」
蘭の視線を追えば、マイクを持つヨーコさんが高いビルの電子パネルに大きく映し出されていた。
「強いね彼女…あんな事があったのに、もう立ち直ってる!」
『……ヨーコさんも私たちと同じだから当たり前に悲しいんじゃないかなぁ』
でも、それでも精一杯頑張ってるんだね。と、蘭と目を合わせた。
「でも、わたしはダメね…彼女みたいに強くなれない…。新一がいなくなったぐらいで、凄く不安だもん…」
『……蘭。私、思うんだ。
無理に強くならなくて良いんだよ。
あ!、勿論強くなろうとする蘭も素敵だけどね、今の蘭も私は好きだなぁって。
それに、私が強いからさ。蘭はちょっと弱さを持っててくれた方がいいんだよね___』
「…ッ、うん。わかった」
『よし、じゃあ帰ろっか』
ニッ、と口角を上げた蘭に微笑んでみせた。
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「A〜!!」
『ん……なぁにぃ?』
疲れた体を休めようと、事務所のソファで休ませて貰っていた。
いつのまにか寝ていたみたいで、蘭に揺すられ、目を開ける。
「し、新一から電話があって!!
今、事件に巻き込まれてるらしくて、解決したらすぐ戻るって、」
『……そっか、良かったね!』
「うん!で、Aに伝言が……」
『?…あ、何か悪口言ってた?』
「……やっぱ秘密〜!!自分で伝えろっての、あの推理オタク!」
蘭に包まれるように抱きしめられた。
Aの事は簡単には渡さないんだ…、などとよく分からない事を言う蘭に苦笑いした。
どちらかと言うと、私が蘭を渡してないのにな…と思ったけど口には出さないことにした。
感謝してよね、新一!
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盛大に勘違いしてるなぁ(作者)
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作者名:すずな | 作成日時:2022年4月18日 19時