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「でも、どーして藤江君がそんな事………」



悲しげに目を馳せたヨーコさん。
またもやつん、と江戸川君に腕をつつかれた。



He still loved her(…まだ、愛していたんですよ)



「な…」


『沖野ヨーコさんと池沢ゆう子さん。お二方の後ろ姿はとても似ているんです。
被害者は、勘違いをして襲ってしまった……いや、話をしようと焦っていたんです。
でも、本当は池沢ゆう子さんで抵抗されてしまったから、彼の中で愛が絶望と憎しみに変わってしまったんだと思います』


「でも、彼はわたしをふったんですよ!!なのに、どーして?」

『それは……山岸さんが沖野ヨーコさんのスキャンダルを防ぐために頼んだのでは?』

「……その通りだ…」



『とどのつまり…愛がすれ違った上に、嘘と偶然が重なってしまった事で起きてしまった悲劇なんです』



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あの後、被害者の家からヨーコさんへの想いについて綴られた日記が出てきた。
そこには彼の苦しみと葛藤が目に見える様に記されていて、思わず目頭が熱くなった。



「毛利君!!君とその助手君の推理どおりだよ!!
見直したぞ、名探偵!!」


「ふえ?」

『ふえ、ってなんですか?見事でしたよ、小五郎さん』



目暮警部にバシッと強めに肩を叩かれた。
……私も、この事件を解くことが出来て良かったと思う。



「しっかし、助手君……どこかでみたことのある顔だな」

『……そうですか?』



父が俳優だからな。
なんだったら、世界進出してる大物だもんな。



『…あ、でも。少しだけ日本にいたことがあるので、その時に知ってもらったのかも知れません』

「そうか。ご苦労だった」

『…!は、はい!』



ぴしっ、と敬礼をすると、目暮警部は笑いながら去っていった。
隣で蘭が笑いながら敬礼の腕の角度を直してくれた。





親と比較されるのが苦手

File 4 消えた名探偵→←▽



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作者名:すずな | 作成日時:2022年4月18日 19時

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