帰ってきた少女は、愛されていた【名探偵コナン】 (ページ20)

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「そう…しかし、これはあくまでも心理的な推測です………その三人が犯人じゃない証拠にはなりません…
しかし、その推測を裏付ける証拠ならあります…」

「え？」

「山岸さん、あなたが隠した髪の毛だ！！
わたしは、見ていたんですよ…足が滑ったふりをして、あなたが死体の指から髪の毛を抜き取るのを…」

「やっぱり、こいつが犯人か！！」

……意外だった。
小五郎さんがそんなにも見ていたなんて。

「ちがいますよ…わたしが問題にしているのはなぜ山岸さんがそんな事をしたかではなくて、どうして、死体の指に髪の毛があったかだ…
後ろから刺されて即死の人間が、なぜか刺した人間の髪の毛をつかんでいた…不思議だと思いませんか？」

「そ、そういえば…」

「犯人は、他殺に見せたかったんですよ…それも、ヨーコさんに殺されたようにね…」

「た、他殺に…！？ま、まさか！？」

ソファの横に立って聞いていると、不意に江戸川君に服を引っ張られた。
……え、この先を私が推理しろと？？

困惑していると、沢山の視線が私に向けられているのに気付いた。

『＿＿＿犯人は、被害者の藤江明義さん本人です』

「じ、自殺！？バ、バカな…自分の背中に包丁が刺さるわけが…」

『それが彼の意図です。背中に刺さっていれば、まず自殺とは考えられないので。
…でも、氷を使った簡単な方法(トリック)で……それは可能なんです。
この部屋に来た時に感じた違和感。
それらを併せて考えれば……おそらく、藤江明義さんは氷に穴を空けて包丁を立て、椅子の上から背中から飛び降りたと考えられます。
部屋の温度が上がっていたのは氷を溶かして隠すためです。
証拠として、死体のそばにあった床の凹みが。柄の形と一致すると思います』

「こ、これか！？」

「でも、藤江さんは、ヨーコさんを犯人に仕立て上げるために、策を弄しすぎた…彼女の髪の毛を握って飛びおりたんです…
それを最初に発見した山岸さんは、昔の男をヨーコさんが殺してしまったと思い込み、とっさに隠した…」

…

推理するときは敬語が多い

…