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天ヶ瀬の中で、ふつふつと工藤新一に対して沸き上がる怒り。
それをこの事件にぶつけるしかない!
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「もう何度いったらわかるのよ!?わたしは、ここに来た事ないっていってるでしょ!?」
負けじと小五郎さんが、「だから、あんたのイヤリングが…」と詰め寄る。
しかし、ゆう子さんは無くした、の一点張り。
終いには、ヨーコさんが盗んだと言い始めた。
ゆう子さんはポケットから煙草を取り出して口に咥え、近くのテーブルに置いてあったブロンズ像のライターで火をつけた。
「へーっ、これ、ライターなんだ!!
置物かと思ったら、ライターだなんて、かわってるー!!」
「コナン君…!」
「なにこの子?」
江戸川君はライターを手に持ちながら驚いたように声を上げた。
蘭が慌ててそれを回収する。
……良いところに気づいてくれたね、江戸川君。
『池沢ゆう子さん、よくこれがライターだと分かりましたね!
……
「な!?」
「どうして、わかったのかね?」
「し、知り合いの家にたまたまそれと同じ物が…」
「どこの家だね?部下に行かせて調べさせよう…」
「そ、それは…」
『あのー、ヨーコさん。お手洗いはどこに有りますか?』
「え?そこの廊下の…」
ほら、気づいてよ小五郎さん。
「そういえば、さっき、あんた確かトイレの場所を知ってましたね…ここに一度も来た事がないのになぜなんでしょうねー?」
「あ、あ…」
ゆう子さんが、言葉に詰まる。
そこを逃さず小五郎さんが捲し立てた。
「それは池沢ゆう子、おまえが犯人だからだ!!!
おまえは、ヨーコさんにスキャンダルを起こすためにこの部屋で、この男を殺したんだ!!」
写真を掲げながら言い切った小五郎さん。
ゆう子さんは焦ったようにして首を横に振った。
「ち、ちがう…わたしは殺してない…
その男が急に襲ってきたから、抵抗しただけよ!!
殺してなんかいない!!」
…
機転が効く
…
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作者名:すずな | 作成日時:2022年4月18日 19時