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無邪気な悪夢2 ページ29

「、は」

女狐はこちらを見た。冷たい眼差しで。俺を見た!
バレていたのか。すぐさま場所を移動する。別の場所で同じくあの女狐を監視している他のメンバーにバレたことと移動することを伝える。

あの目は、何だったのだろうか。ある一種の憎悪にも見えたが、それ以外にも何かあったはずだ。……憎悪と、それから。

「牽制、か?」

まさかとは思うが、そう思ってしまったからには、それ以外に思いつかない。
手を出すな。そう言われた気がしてならないのだ。

本当にあの少年は何者なのだろうか。おそらくあの女にとっては手を出されたくない存在であろう。しかし、それがなぜなのかはわからない。
あの少年は、あの組織のアキレス腱たるのだろうか。もしくは、あの女の。

グッと手を握りしめる。今頃、彼はあの少年と対峙しているのだろう。

「恐ろしいな」

どうか、ただの少年であってくれ。
口の中でそんな言葉が転がった。

Hello, my precious. 1→←無邪気な悪夢1



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作者名:コトハ | 作者ホームページ:   
作成日時:2016年10月26日 22時

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