彼は私の相棒（パートナー）３ (ページ4)

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誇り高き者ページ4

語学を操り、上司の敵さえ籠絡した才女。

さながらクレオパトラのようだ。

コト

(え？)

彼女はデスクの上にそれを置いた。

『これはお返しします。私は情報欲しさに、捜査の為に彼を愛した訳ではありませんから。』

自身を射抜く瞳には一切の迷いも感じられなかった。

見くびるなと喉元にナイフを突きつけられた気分だ。

「それなら何故？」

『だからこそですよ。私との関係が彼の立場に、彼とあなた方の間に影響を及ぼすのなら、私が身を引くことでその軋轢が解消されるというのならば、喜んで身を引きましょう。それに私の正体が組織に発覚する恐れもありますし・・・・。彼が立場を失わず、職務を全うさえできれば私は構いません。』

「ご英断だ。しかし、・・・・・・・」

一時のプライドで撥ね付けるのか？

彼女はフッと鼻で笑って答えた。

『愚かな女とお思いかもしれませんね。ですが愛とはそういうもの。先のことなど考えて飛び込むものではありません。彼を愛したことを後悔してはいませんし、この先私にどんなに残酷な結末が待ち構えていようと後悔することは決してないでしょう。この愛は私の宿命だったのですから。』

「流石はあの赤井秀一(Silver Bullet)が見込んだ部下、ご立派だ。FBIにしておくには惜しい。」

『あら？他の捜査機関を売り渡すような機関(ところ)などこちらから願い下げです。』

決して振り返るまいと、足早に立ち去ろうとしたその時、

「風見、何をしている！！」

「か、甲斐さん。」

(甲斐局長！！)

穏やかそうな見た目からは想像もつかないような怒号が飛んだ。

「理事官がお呼びだ。早く行ってこい！」

「は、はい。」

彼は一礼して早々に立ち去って言った。