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This is, and is not, you! ページ2

〜組織にて〜

「それじゃ。バーボン、クラレットを頼むわね。」

「わかりました。ベルモット。」


いつもなら嬉しいはずなのに、

今は貴方と顔を合わせることがこんなにも辛いなんて。




〜Bourbon Side〜

クラレット?

どうも最近、彼女の様子が変だ。


「どうしたんだい?」

『大丈夫よ。何でもないわ。』

「何か不満でも?」

『いいえ。』

「クラレット、君は何か隠してるだろう。何を悲しむんだい?」

『もう何も言わないで、お願いだから。』

「クラレット、」


彼女は目を反らしてしまった。

彼女が時折見せた悲しげな横顔。

久しく見ることはなかったのに、


『ここで良いわ。ありがとう。』

「近くまで送るよ?」

『いいわよ。貴方だってまだ仕事があるでしょう?』

「それはそうだけど...、わかった。お疲れ様。」

『ありがとう。おやすみなさい。』

「ああ、おやすみ。」


明らかに距離を置かれている。

一体何があったんだ。



〜警察庁〜

「あ、降谷さん。参事官がお呼びですよ。」

「わかった。」

一体何だ。こんな時に、

コン コン コン

「入りたまえ。」

「失礼します。」

「まぁ、掛けなさい。」

促されるままに腰掛ける。

「いやぁ良かったな降谷君。官房長が君を見込んでお嬢さんとのお見合いを是非にと」

!!!!!!!!

途端に頭を殴られたような衝撃が襲った。

「そのような話は聞いておりませんが、」

甲斐局長からも聞いていない。

「お断りします。」

「ほう。断ると、」

「参事官もご存知でしょう。私には交際している女性がいますから。」

「賢明な君ならわかるだろう。下手に断ると君の立場はどうなるか、」

つまり出世の望みは絶たれるということだ。

それだけではない。

最悪、社会的に切り捨てられる。

「話は風見君から聞いているよ。」

風見め。余計なことを、

「大方、FBIの情報を探りだそうといったところだろうが、本命は逃すべきではない。いいか降谷君。これは上司命令だ。」

見合い自体を断ることは出来ないのだ。

だが、これで漸くわかった。

彼女が鬱ぎ込んでいた理由が、

春香さん。

君の傍にいてはいけないのだろうか?

俺は貴女を苦しめるだけだ。



〜タイトル豆知識〜
This is, and is not, you!
「あれはあなたであってあなたでない!」
「トロイラスとクレシダ」(シェイクスピア作、但し作中ではyouはクレシダになっている。)でトロイラスが恋人クレシダに裏切られた際に言ったセリフ。

苦渋の決断→←知りたくなかった



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設定タグ:名探偵コナン , 安室透 , 赤井秀一   
作品ジャンル:アニメ
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作者名:Detective A | 作成日時:2018年5月1日 0時

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