知りたくなかった ページ1
ジヴァニア。
あれからあの男の動きはなかった。
今、私が居るのは警察庁。
丁度、合同会議が終わったところだ。
正直あまり長居はしたくない。
彼が警察庁内で慕われているのを見るのは嬉しくもあり、誇らしくもあるけれど、それを見せたりなど出来ないのだ。
「そう言えば聞いたか、降谷さんのこと」
「ああ、官房長のお嬢さんとの見合いの話だろ。」
え?
「良いよなぁ。優秀でイケメンで、出世間違いなしだろ。」
零さんが、お見合い
嘘よ。どうして?
〜阿笠邸〜
その後の私は何も考えられなかった。
どうやって、何故此処に来たのかも覚えていない。
そこには偶々ジョディも居た。
「もしかしたら上から直々に言われたのかもね。」
『そうなればあの人でも断ることは出来ないわね。』
「春香、」
ジョディが心配そうに見つめる。
貴女には、心配をかけてばかりだわ。
『私、幸せ過ぎたのかもしれないわ。』
あの人の愛に縋って
闇から拾い上げてもらって
でも、私は何もしてあげられない。
何の利害も無しにあの人と共に夢を見ることなど出来ない。
私は彼の立場を危うくする存在でしかない。
互いの正体を明かしたあの夜のことを思い出す。
私が組織の人間であっても、
自分を探る為だけに私が近づいたとしても構わなかった。
心底憎み通すことなど出来なかった。と、
貴方はそう言って涙を溢した私を優しく抱きしめてくれた。
あの時の貴方の鼓動と温もりは今でもはっきりと覚えている。
私は、
私は貴方を........
179人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:Detective A | 作成日時:2018年5月1日 0時