探偵学園Q #0 〜前編〜

episode37 ページ37

「なぁ、自殺じゃないってどういう事だよ。」





数馬が不安げな、弱々しい声で究に問いかけた。





団の部屋から出た究達は、建物の外にいた。





究、流、数馬の3人は、噴水脇のベンチ周辺で話していた。





「分かんない。でも、そう思いたいんだよ。」





究が答えると、数馬は俯いた。





「ねぇ、現場に行かない？」





数馬と流はさっと顔を上げ、究を見た。





「そしたら何か手掛かりが... 「何言ってんだよ。」





遮ったのは数馬だ。





「そんな勝手な行動していい訳無いだろ。それでなくても俺は学園側からマイナスに見られたんだぞ。」





「君は自分の事しか心配しないのか。」





流が口を挟んだ。





「君のせいじゃ無いって。」





数馬も流も、行くとは言わない。





究は諦め、踵を返した。」




建物の中に入ろうとすると、玄関近くの柱の陰からメグが出てきた。





「メグ...。」





「私行く。」





「ほんとに？」





「うん、究の直感を信じる。私達で調べよう。」





2人は笑った。





「うん。」





「私も行くっ！」





究の後ろから聞こえた声。





振り向くと、美紅が腕を組んで立っていた。





「私も行くに決まってんじゃん。」





腕を解き、2人の元へ歩み寄る。





「ほら、行こう？」





美紅は微笑んだ。





2人は笑顔のまま頷き、3人は歩き出した。





「ねぇ、夏休みの宿題どのぐらいある？」





最初に口を開いたのは美紅だ。





「小学校の倍は確実にあると思うよ。やだな〜。」





メグが答えた。





「じゃあさ、じゃあさ、今度皆で集まって宿題しようよ！天草くんも誘って。」





「いいよ、やろやろ！」





先に賛成したのは究。





「いいじゃん、面白そう！」





メグも賛成する。





「じゃあ決定ね！」





3人は笑った。







先程死体を見たとは思えない、無邪気な笑顔だった。

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