探偵学園Q #0 〜前編〜

episode31 ページ31

外ももう真っ暗になった頃。





それぞれにお弁当が配られる。





「ちょっと待って、私のは？」





また美紅の分が無いようだ。





「食後は自由行動です。」





美紅を無視し、秘書らしき女性が話し始める。





「片付けは各自で。以上。」





そう言って去って行った。





「またこのオチ!?またこのオチ!?世界が一巡してる、おかしいよ！」





いや、さっきよりも酷いぞ。





さっきは何かしら処置があったが、今回は丸っきり無視だ。





これ程までに主人公の扱いが雑なのは如何なものか。





「もういいよ！私パン持ってきたからそれ食べるよ！」





そう言って美紅は部屋を出て行った。





「...よし、食べよう。」





若干戸惑いつつもキンタが声をかけ、パソコンをしている数馬以外は弁当の蓋を開く。






「お〜うまそう。」





「いただきます。」





メグは合掌し、割箸を手に取った。





すると片手に大きめのパンを持ち、息を切らした美紅が入ってきた。





全速力で走ってきたらしい。





全員が「何で戻ってきたんだ。」と言うような目で美紅を見る。





「そっ...そんな目で見ないでよ！酷い、酷いよ皆！」





...不憫な奴だ。





「ごめんごめん。ほら、こっちおいでよ。」





メグが手招きすると、美紅は嬉しそうにメグの隣へ座った。





パンの袋を開け、頬張る姿は小動物のようで可愛らしい。





...そうだ。





性格と扱いが少々あれなもので忘れていたが、仮にも美少女なのだ。





「瞬間記憶能力保持者、美南恵。」





ずっとパソコンをいじっていた数馬が急に口を開いた。





ぶっ込むね。

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