探偵学園Q #0 〜前編〜

episode27 ページ27

全員一斉に走り出し、外へ出た。





そんな様子を、窓から眺める団学園長。





その顔は、何か企んでいそうだった。









全員が走る中、究だけが数m程遅れを取っていた。





原因は1つ。





走るのが遅いからだ。





究はふいに立ち止まり、辺りを見回した。





「えっ...怖いよここ...。」





究は出来るだけ早く走った。





後ろを振り向きながら走っていたせいで、誰かにぶつかってしまった。





「うわ〜ごめんなさい...。」





ぶつかってしまったのは、キンタだった。





全員が立ち止まっていた。





「えぇ〜。」





不気味なトンネルがあり、通るのを躊躇っていたのだ。





キンタが三郎丸と少年を退け、前に出た。





「行くでござる。...うわ〜！」





キンタは叫びながら走り出した。





それに続き、残りの6人も叫びながら走り出した。





叫びながらトンネルを抜けた後は、全員息が切れていた。





「おいまだ2つあんのかよ。」





キンタの言葉に辺りを見回すと、同じようなトンネルが2つ。





右と左にある。





「ど、どっちだ！」





メグが地図を開き、その上に少年...いや、流が方位磁石を乗せた。





カードに書かれていた名前で、まだ知らないのは「リュウ」だけ。





それに、駅で美紅が少年を「天草流」と呼んでいた。





それを考慮すると、「リュウ」は、少年の事だと考えるのが妥当だろう。





そして、究、メグ、流の3人で地図を覗き込む。





「「あっち！」」





また全員で叫びながら走り出す。





「待って！」





足が遅い究は、遅れがちだ。





すると、究の肩に誰かの手が置かれた。





究は立ち止まり、恐る恐る振り返る。





美紅だった。





だが、ほっとしたのも束の間...。





「早く行かないと、捕まっちゃうよ？」





低めの声で妖しく笑いながらそう言い、究の肩を掴んだ美紅。





「うっ...うわぁー！」





究はさっきの倍の早さで走り出した。





そのすぐ後ろには、さも楽しそうに笑う美紅がいた。





...何に捕まるんだよ。

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