探偵学園Q #0 〜前編〜

episode11 ページ11

「ダメだ...全っ然着いていけない...。」





上には上がいる、ということだ。





「やばい、分かんないよ...。」





究は焦る。





「今から容疑者達が移動を始める。諸君は犯人と思った容疑者を尾行して頂きたい。」





容疑者達は、全員反対を向く。





「尾行が成功した場所、そこから二次試験を始める。」





受験者達は、一斉に動き出す。





究は戸惑う。





もたもたしているうちに、隣の少年は行ってしまった。





「あぁっ...。」





究の焦りもピークに達し、究は立ち上がった。





究は頭を掻き毟った。





イライラしているのだろう。





「考えるんだ...早く考えるんだ...。」





究は、写真と、少女の推測を思い出す。





はっとして、顔を上げた究。





どうやら、犯人が分かったらしい。





究は、スクリーンの前まで行き、満面の笑みで振り返った。





「あれ〜？犯人、」





パチンと指を鳴らす。





「分かっちゃったかも。」





アハッ、と笑った究。





一気に機嫌が良くなった究は、スキップで少女の元へと戻る。





いつの間にか、三郎丸はいなくなっていた。





「犯人、分かっちゃったー。」





少女に向かって、自慢げに言う究。





少女は溜息をつくと、「分からない...。」と言いながら靴を履き始めた。





「ね、一緒に行こう？」





究も、靴を履き始める。





「犯人はねぇ、」





「嫌だ！答えは自分で見つけたいの。...人に頼ったら探偵にはなれない。」





「じゃあ、ヒントはね、“写真に写ってるものが答えとは限らない。”」





「...“写真に写ってるものが答えとは限らない”？」





「うん。」





少女は、すぐに笑顔になる。





「あっ、そうか！」





「うん！」





2人は走り出した。





2人がいなくなったのを確認すると、三郎丸は姿を現した。





やはり、東大生、IQ180と言うのは、信用出来ない。





「“写真に写っているものが答えとは限らない？”」





中学生でも分かったヒントが、三郎丸には分からないのだから。

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